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9月22日(土) 始まった途端に終わっていた民主党の代表選挙 [政党]

 やはり、予想通りの結果でした。民主党の代表選挙で、現職の野田首相が再選されたからです。

 21日午後に行われた民主党代表選投票の結果は、国会議員、党員・サポーター票などを合わせた合計で1231ポイントのうち野田首相が818ポイント(66.5%)を1回目の投票で獲得しました。次いで、原口一博元総務相が154ポイント(12.5%)、赤松広隆元農相が123ポイント(10%)、鹿野道彦前農相が113ポイント(9.2%)の順になっています。
 内閣支持率が20%台で、新宿駅西口の街頭演説では「ウソツキ」「カエレ」と罵倒された野田首相が、民主党内では3分の2の圧倒的多数によって支持されるところに、民意と民主党との乖離が象徴的に示されていると言うべきでしょう。
 民主党の代表選挙は9月10日に告示されましたが、反野田勢力が70人以上も離党していましたから、この時点ですでに野田首相の優位は明らかでした。しかも、対抗馬が3人に分裂したため、こうなることは当初から予想されていたことです。

 多少の波乱が予感されたのは、細野原発事故担当相の名前が登場したときでした。しかし、細野さんは立候補を辞退しました。
 このときに、代表選挙の無風が決まったと言って良いでしょう。同時に、民主党の明日も費えたということになりましようか。
 たとえ、細野さんが立候補しても勝てたかどうかは分からず、細野新代表になっても総選挙を乗り切れるかどうかは疑問です。だから、細野さんは短期間での「使い捨て」を警戒して身を引いたのでしょう。

 今回の結果で注目されるのは、第1に、選挙への関心の低さです。党員・サポーター票の投票総数は約11万票にすぎず、投票率は約34%にとどまりました。
 野田首相に対する有力な対抗馬が存在せず、当初から無風であった今回の選挙戦を象徴するような数字です。党員や支持者も冷ややかな目で代表戦を眺めていたということになります。
 民主党の活力の衰退は、ここからもうかがい知ることができます。地方や党員レベルでも、土台が崩れてしまったということでしょう。

 第2に、国会議員のレベルと地方議員や党員・サポーターレベルでの得票の違いです。どちらも野田首相がトップになっていますが、対立候補のポイント獲得順が逆になっています。
 対立候補として立候補したのは3人で、消費増税や原発政策をめぐって最も対立点を鮮明にしたのが原口さんで、次いで赤松さん、鹿野さんの順でした。この3人を比較すると、国会議員票では、鹿野86ポイント、赤松80ポイント、原口62ポイントの順ですが、地方議員票では、原口20ポイント、赤松18ポイント、鹿野10ポイント、党員・サポーター票でも、原口72ポイント、赤松24ポイント、鹿野17ポイントと、国会議員票の順番とは逆になっています。
 反野田勢力の支持分布という点でも、国会議員と地方議員や党員・サポーターとは一致していません。国会議員は党内世論からさえ隔絶してしまったということでしょうか。

 第3に、国会議員で反野田に投じた人が100人を超えていたということです。対立候補となった3人の得票は合計で114人(34%)ですから、3分の1を上回りました。
 これに無効票6人と投票しなかった5人を加えれば、反野田勢力は125人になります。これが、今後の「離党予備軍」ということになるでしょう。
 70人以上もの人を追い出しても、なおこれだけの反野田勢力が党内に残っていたということでもあります。前述のように、地方や党員レベルであれば、野田首相に対する批判の度合いはもっと高くなります。

 野田さんが新しい代表に選ばれたからといって、民主党の前途に光は見えてきません。政権運営の厳しさは増すばかりで、新たな闇が黒々と広がっていると言わざるを得ないでしょう。
 「近いうちに」総選挙もあるでしょうから、この際、反野田勢力は民主党を離れ、野田民主党とは異なる「新民主党」を結成した方が良いのではないでしょうか。国民にとってはその方が分かりやすくなるように思われるのですが、いかがでしょうか。
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