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6月29日(土) 安倍首相は終戦記念日の8月15日に靖国神社を参拝するつもりなのか [国際]

 昨日のブログで、米中韓の枠組みができてしまい、日本は北東アジアで孤立しているのではないか、と書きました。その原因は、領土紛争、歴史認識問題、そして「日本の右傾化」ではないかと……。

 中国や韓国との関係悪化の背景に領土紛争があることは明らかです。中国とは尖閣諸島の問題、韓国との間では竹島問題があります。
 このうち、尖閣諸島についての対立の激化に大きな責任があるのは石原慎太郎前都知事と野田佳彦前首相です。石原さんが都による尖閣諸島の購入をぶち上げ、それに慌てた野田さんが国有化したために、中国との対立が高まったからです。
 この間の経緯については、『テレビはなぜおかしくなったのか』(高文研)という共著に収録されている拙稿「『領土紛争』と石原慎太郎の責任」で詳しく書きました。興味のある方はお読みいただければ幸いです。

 歴史認識問題では、安倍首相の責任が大きいというべきでしょう。首相になるに際して「村山談話」や「河野談話」の見直しを表明し、歴代政権とは異なる歴史認識を示したからです。
 その後、批判の高まりに直面して「村山談話」について「政権としては全体として受け継いでいく」と述べたものの、「侵略の定義は学界的にも国際的にも定まっていない」として先の戦争が「侵略戦争」であったことを真正面から認めていません。従軍慰安婦問題でも、安倍首相は橋下大阪市長の妄言をきちんと批判していません。
 だからこそ、日米関係に関する米議会調査局報告書で、「強固なナショナリスト」などと批判され、国連の拷問禁止委員会から「日本の政治家や地方の高官が事実を否定し、被害者を傷つけている」と指摘されることになるのです。安倍首相は植民地支配と侵略戦争への反省を明らかにし、従軍慰安婦に対する強制性を認め、きちんとしたお詫びを自分の言葉で述べるべきでしょう。

 ここで思い出されるのが、靖国参拝について首相が「第1次安倍内閣で参拝できなかったことは痛恨の極み」と述べていたことです。実際に、春の例大祭では過去最多の国会議員168人が参拝し、首相は真榊を奉納しています。
 これに韓国と中国が強く反発したとき、安倍首相は「わが閣僚はどんな脅かしにも屈しない」と反論しました。4月10日の衆院予算委員会でも、「私が指導者として尊崇の念を表することは国際的にも当たり前のことだ」と、靖国神社参拝に意欲を示しています。
 安倍さんは、「痛恨の極み」を払拭するために、「どんな脅かしにも屈」せず、「当たり前のこと」として、終戦記念日の8月15日に靖国神社を参拝するのでしょうか。閣僚や自民党議員の参拝を認め、擁護するのでしょうか。

 もし、そうなったら、またもや中韓両国は激しく反発し、日本に対する国際的な右傾化批判が強まります。関係改善のチャンスはさらに遠のくことになりかねませんし、日米関係もギクシャクすることになるでしょう。
 しかし、参拝を取り止めたら、期待を寄せていた「ネトウヨ」など極右層の徹底的な反発を招くに違いありません。安倍首相はどうするのでしょうか。
 板挟みにあって、進退窮まってしまう可能性が大きいように思われます。それも、自らが招いた窮地なのですが……。

 いずれにしても、国際社会や周辺諸国に警戒され、憂慮されるような日本であって良いはずがありません。防衛力の強化や集団的自衛権の行使容認、9条改憲や国防軍化などの動きは、このような周辺諸国の警戒や憂慮をさらに強めるだけだということを正しく認識する必要があるでしょう。

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