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8月25日(月) 『18歳から考える日本の政治』の目次 [日常]

 新潟の日本文理高校は残念な結果に終わりました。とはいえ、準決勝まで上りつめた健闘を讃えたいと思います。

 それはさておき、拙著『18歳から考える日本の政治』の第2版が法律文化社から送られてきました。初版よりもページ数が増え、値段も100円高くなって2300円になりました。
 「18歳から」の方には負担になる金額かもしれませんが、それだけの価値はあると思います。「日本の政治」について考えるうえで、これ一冊で間に合うように幅広い内容を扱っていますから。
 これ一冊があれば、政治について書かれた本を何冊も買う必要がなくなるはずです。このことについて、私は初版の「はしがき」で次のように書きました。

 この本は、「日本の政治」についての入門書です。この一冊で、政治とは何か、日本の政治はどのように変化してきたのか、政治の仕組みはどうなっているのかなどについて、基本的な知識が得られるようにしてあります。難しく言えば、政治思想と政治理論、近現代日本政治史、政治制度・機構論、行政学と地方自治、国際政治について一冊にまとめたものが、この本だということになります。

 それがどのような構成となっていて、どのように記述されているかを知るには、本書を手に取ってみていただくほかありません。しかし、目次を見れば、そのことはある程度、理解していただくことができるでしょう。
 ということで、以下に本書の目次を紹介させていただきます。下線が引かれている部分は、第2版で追加された節です。

第Ⅰ部 私たちと政治

1 政治って、見るもの? するもの? 闘うもの?
見る政治/する政治/闘う政治/政治とは、見るもの、するもの、闘うもの
2 政治って、役に立つの? 政治のしくみがわかると楽しくなる?
   ものごとを決めるのが政治/政治を動かすのは人間-人間観と価値観/政治には仕組みがある-法則と制度/役に立つか、楽しいか、得になるか、正しいか
3 政治を動かす力は何?-正統性と権力の問題
   なぜ従うの?/正統性の3類型/第4の類型=民主主義的正統性/権力についての2つのとらえ方
4 誰が政治を動かしているの?-政治家と国民主権
   政治を動かす人々/本当に政治を動かしているのは国民/なぜ、直接、動かさないのか/国民主権であればこそ/正当な選挙とは
5 よい政治とはどのような政治?-自由・民主主義と政治の理想
   自由と民主主義/ルールを作るためのルール/「よい政治」とは/「市民」と「市民政治」/政治教育の重要性
6 どうすれば政治は変わるの?-政治の変化と世論
   変わる政治、変わらない政治/世論と政治情報/実像(環境)と虚像(擬似環境)/世論が変われば政治は変わる

第Ⅱ部 戦後政治から見える光と影

7 日本政治の底の底
   政治意識、政治思想、政治文化/経路依存性と重層性/日本の政治文化の特徴/日本の政治文化の問題点
8 戦前の政治と戦争-歪んだ日本の近代化
   戦後政治の前提としての戦前政治-政治における経路依存性/戦前における光と影-近代化と軍国化/「ハンドル」と「ブレーキ」がなければ事故を起こすのは当然/負の遺産を克服するために
9 占領と民主化-戦後改革の意味するもの
   敗北と解放/戦争末期の悲劇/間接占領の開始とその意味/戦後日本の骨格を形成した改革/反共の防波堤となるための逆コース
10 敗戦後の再出発-「青写真」としての日本国憲法
   「国のかたち」を決めるもの/戦後の天皇制/非武装憲法の下での武装/保安隊から自衛隊へ/独立したはずなのに
11 戦後政治モデルの形成-「55年体制」と60年安保
   日本の「独立」-対日講和条約と旧安保条約の締結/1955年にできあがった戦後政治構造/安保闘争/三池争議/ベトナム反戦運動と沖縄返還運動
12 高度成長の時代-50年代後半~70年代前半
   高度経済成長の始まり/先進国の仲間入り/高度成長の光と影/政治・社会運動の高揚と革新自治体の拡大
13 戦後保守政治の再編-70年代中葉~80年代
   高度成長の終焉-第1次石油ショックの発生/政治・社会意識の転換/「臨調・行革」路線と戦後政治の総決算/竹下派支配と政治改革の浮上/バブル経済の発生と崩壊
14 混迷の時代から新しい政治へ-90年代~現在
   ソ連・東欧の崩壊と冷戦の終焉/「一国平和主義」批判とPKO/細川連立政権の樹立と「55年体制」の崩壊/政治と経済の「失われた10年」/「小泉ブーム」と構造改革/安倍・福田・麻生と続いた短命政権/政権交代と鳩山・菅・野田民主党政権/第2次安倍内閣の樹立
15 政党の系譜
   戦前の政党制/戦後における政党の出発/「55年体制」の成立と変容/混乱と再編/2010年の政党状況/民主党の分裂と「国民の生活が第一」の結成/日本維新の会の結成と失速/「第三極」新党と未来の党の挫折/みんなんの党の分裂と結いの党の結成

第Ⅲ部 政治の仕組み

16 民主主義って、必要なの?-政治のルールと仕組み
   民主主義とは?/政治にとって民主主義はどのような意味を持っているのか?/民主主義に関するいくつかの問題/民主主義と多数決/民主主義の条件と課題
17 選挙に行って、政治が変わるの?-選挙と政治行動・政治参加
   選挙とは?/選挙の原則/選挙区制、定数、投票方法/日本の選挙制度/衆議院選挙と参議院選挙の仕組み
18 国家がなかったら、政治はどうなるの?-国家と政府
   国家とは?-狭い意味と広い意味/政府とは?-機能と機構/三権の分立と均衡/議院内閣制と大統領制/行政国家化の進行/自民党の国家政党化と官僚との癒着/政治主導の回復に向けて
19 政策って、どのようにして法律になるの?-法律と予算
   政策とは?/政策はどのようにして法案になるのか?/法案はどのようにして法律になるのか?/内閣提出法案以外の場合/予算はどのようにして作られるの?
20 国会って、何をしているの?-代議制、議会の役割
   議会と国会/議会の役割/近代議会政治の原理/現代議会と議会政治の変容/日本の議会-衆議院と参議院/国会の種類にはどのようなものがあるか?
21 官僚って、何をしているの?-官僚制、官僚機構の役割
   官僚と官僚制/日本の内閣制度/内閣の主な役割と権限/省庁の編成
22 政党って、信用できるの?-政党政治と政党の役割
   政党とは?/政党の性格/政党の歴史/政党の機能と役割/野党の役割と存在意義/政党制
23 市民や団体の役割は何?-圧力団体の活動と役割
   市民と市民団体/圧力団体政治とは?/圧力団体の性格と特徴/圧力団体の類型と活動/日本の圧力団体/圧力団体の功罪
24 地方から政治は変えられる?-地方自治体、地方政治
   地方自治とは?/団体自治と住民自治/地方自治の意義/地方自治を困難にする要因と対策/日本の地方自治/本当の自治の確立に向けて
25 世界の中で日本はどのような役割を果たすの?-外交と安全保障
   国際政治、外交と戦争/対米関係の改善/アジアの周辺諸国との関係強化/「平和・民主国家」の理念と真の安全保障/外国人に好かれ憧れるような国でありたい/どのような「国のかたち」を目指すのか?
終 政治を担い、変えるのは私たち自身
   政権交代の実現と政治の変化/民主党政権の前進面/鳩山内閣の限界と迷走/管内閣の登場と参議院選挙での惨敗/ふたたび生じた「ねじれ国会」/2012年総選挙での政権交代/第2次安倍内閣による新たな「富国強兵」政策の提起/「平和国家」から「戦争国家」への転換/転換する必要があるのか/亀裂の拡大と孤立化の深まり/試される日本の民主主義/日本政治の変革に向けて

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