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8月26日(火) 『18歳から考える日本の政治』の特徴と工夫した点 [日常]

 拙著『18歳から考える日本の政治』第2版が刊行された機会に、もう少し、本書のPRをさせていただこうと思います。というのは、本書は大学の教養課程での政治学のテキストとして用いられることを想定して執筆しましたが、同時に、高校を卒業して社会に出て働く一般の方にも、政治についての知識と理解を深めていただくことを期待して書いたからです。

 本書は学生向けに書かれたものではありますが、同時に、市民向けの政治学の入門書としても書かれています。本書を読んで、ぜひ民主政治を担うに足る市民としての政治力を養い、蓄積していただきたいものです。
 このような意図ないしは期待を込めて、本書を書き刊行しました。その意図はある程度達成されたようです。
 大学の1~2年生向けの授業でのテキストとしての注文を、かなりいただいたようですから。この機会に、本書を利用されたすべての方にお礼申し上げたいと思います。

 しかし、残念ながら一般市民の皆さんには、それほど読まれているようには見えません。街中の書店に並ぶことは少なく、主として法律文化社への直接注文での販売となっているからだと思われます。
 これでは、本書執筆にあたっての私の期待は実現できません。もっと多くの人に読んでいただき、この本を活用してもらいたいとの思いを込めて、本書の特徴と工夫した点について紹介させていただきます。

 第1に、全体の構成と記述の方法です。全体はⅢ部に分かれ、その下に25の章と終章があり、さらに各節に分かれています。それぞれがどのような部、章、節となっているかは、昨日アップした目次を見て下さい。
 叙述は「です、ます」調とし、できるだけ素朴で率直な疑問に答えるように努めましたが、特に工夫したのは章です。終章を含めて26に分かれているのは、各章について一時間講義すれば一年間で終わるようにしたからです。
 分量も、各章は基本的に見開き4ページに収められており、例外は最近の事例を加筆した14章と15章、それに終章です。各章の記述を、定められた字数にピタリと収めるように書くのは一苦労でした。

 第2に、右側のページの下に、図表や写真などの資料やコラムを入れたことです。本文の記述だけでは理解しにくいこと、本文の理解を助けるうえで役に立つことを、資料や記述によって補う工夫をしたというわけです。
 資料は、第Ⅰ部で12点、第2部で17点、第3部で36点、合計65点掲載され、コラムは全部で11本になります。参考までに、コラムの表題を以下に掲げておきましょう。

 ベトナム戦争とイラク戦争
 ポル・ポト派による虐殺―キリング・フィールドとツールスレン博物館
 ザクセンハウゼン強制収容所とポツダム
 政治に関する金言
 さまざまな日本文化論
 朝鮮戦争に「参戦」した日本人
 日米同盟の闇―「密約」問題と沖縄の犯罪被害
 「皇民党事件」の深層―総理誕生の裏で暗躍した右翼と暴力団
 何が、どう変わったのか―利益政治から理念政治への転換
 「活憲」による非軍事的な人的国際貢献のビジョン
 カーネギーは言った、「金持ちのまま死ぬのは恥である」と。

 第3に、本文脇の欄外で、本文に出てくるキーワードの解説を行っていることです。どのような用語を解説しているか一覧表を出せればよいのですが、全部で409にも上りますので、ここですべてを紹介することは不可能です。
 できるだけ多くの用語について、できるだけ簡単に説明しようとしましたが、これは言うに易く行うに難しというべき作業でした。結果的に、本書は政治に関する事典としても利用可能になったと思います。
 キーワード解説の一例として、終章で取り上げられている用語を以下に紹介しておきましょう。

 政・官・財(業)癒着/構造改革/事業仕分け/沖縄普天間基地撤去問題/TPP/戦略的な政策形成機関/サービス残業/国民投票法/96条先行改憲論/国家安全保障会議設置法/特定秘密保護法/新防衛計画の大綱・新中期防衛力整備計画/武器輸出三原則の見直し/靖国神社/シリア紛争への軍事介入/集団的自衛権の行使容認/在日特権を許さない市民の会(在特会)/安保法制懇と国民安保法制懇/福井地裁の画期的な判決/就活/新しい公共/社会運動的ユニオニズム/官邸前集会

 本書『18歳から考える日本の政治』(法律文化社)の購入を希望される方は、以下のような方法で注文していただければ幸いです。
 http://hou-bun.com/03contact/03_03_01.html

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