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10月13日(月) ストップ! 集団的自衛権行使 たたかいの展望(その6) [論攷]

〔以下の論攷は、『憲法運動』9月号、通巻434号、に掲載されたものです。6回に分けて、アップします。〕

(3)閣議決定後の課題―間違った決定には明確なペナルティを課すべき

 7月1日の閣議決定後の課題とこれからの展望です。間違った決定には明確なペナルテ ィを課すべきであるということです。
 滋賀県知事選に続いて、沖縄でのミニ統一 地方選挙、10 月には福島県知事選挙、 11 月には沖縄県知事選挙があり、来年4月には統一地方選挙などがあります。こうした各種選挙で与党を敗北させる。この選挙を有権者である国民の側から異議申し立てをする機会、チャンスとして、活用することが重要です。
 「限定」的な行使だからいいではないかと首相は言っていますが、この「限定」の縛りをさらに強くすることも必要です。安倍首相は国内では「変わらない」といい、外国では「大きく転換した」と言っている。二枚舌もいいところです。「変わらない」「限定している」から、「平和国家としての基本は維持されている」と説得されてしまったのが公明党です。公明党がいままでの「平和主義」や「平和憲法の理念は維持されている」というのであるなら、それに沿った形で「限定」の縛りを強くすることが、これからの国会審議の中で重要になると思います。創価学会婦人部などは、戦争に対する危機感が強いと聞いています。創価学会婦人部に働きかけて一緒に反対の声明を出すことや呼びかけを出すことも検討していただきたい。
 もう一つ可能性としてあるのが裁判です。閣議決定の違憲確認の訴訟を起こすことが考 えられます。すでに松阪市長などを中心にそのような動きも始まっています。

(4)どう立ち向かうのか

 解釈改憲、立法改憲、明文改憲の各段階での反撃が必要です。内閣支持率が4割台に低下している。それをさらに下げることです。安倍首相の武器は株価と支持率といわれています。支持率は過半数を切った。株価はどうなるのかわからない。どうやら天に見放されたようで、8月の天候不順で景気は悪くなる。アベノミクス破綻ということで株価も下がってゆく可能性が濃厚です。
 明後日、内閣改造があります。骨格や中心メンバーは変えないなかで、高市早苗、山谷えり子、稲田朋美という人たちが内閣に入ったり、自民党の役員になるといわれています。「安倍カラー」はさらに強まるでしょう。イギリスの『エコノミスト』誌はすでに高市さんが入ることへの警戒感を表明しています。
 安倍内閣が厳しい状況に陥る可能性は大きい。さらに世論の力を盛り上げて追撃しなくてはならない。これが大きな目標になります。そのためにも、事実を知り、教訓を学び、正しい情報を発信することが大切です。とくに事実を伝えることです。国民の多くは知りません。こうした人たちに伝えてゆく。可能な形で情報を発信していくことが大切です。
 もう一つ重要なことは、そのような形で情報を発信し、伝えれば、世論は変わるということです。この間、確実に変化がうまれてきています。国民は大きな不安を抱き、このままいったら大変なことになると思い始めています。8月27 日の毎日新聞に、こんな投書が掲載されていました。「戦中戦後を乗り切ってきて、今また、不安な毎日を暮すなんて考えてもみませんでした。何事にも自分本位の首相の言動、 もう信じられません」というものです。このように感じている国民は多い。皆さんの側から情報を発信し、事実を伝え、理解を深めていただくことが必要です。そのためにも、若者と女性のエネルギーを最大限に発揮する。高齢者の知恵と経験を生かす。これが必要です。
 私は、講演の最後に必ずこう言っています。お年寄りの方が多いときには、「こんなきなくさくなっていく世の中をこのまま残して、お迎えを待つということでいいのでしょうか」と。平和で民主的で豊かな、孫や子が将来に希望をもって住み、生きることができる世の中に少しでも変えて、やすんじてお迎えを待つというのが正しい高齢者の生き方ではないかと。ついでに、「運動」は身体に良いとも。
 是非、若者や女性、もちろん現役の方々も、国民の中に分け入り、情報を伝え、世論の変化を生み出していただきたい。このことをお願いし、そのために皆さんが先頭に立たれることを期待しまして、私の話を終わります。(いがらし じん)
(2014年9月1日、全労連会館で開催された憲法共同センターの「学習決起集会」での講演を整理したものです。)

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