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11月23日(日) 総選挙に向けて生じつつある政党状況の流動化と新たな選択肢の浮上 [解散・総選挙]

 一昨日の『しんぶん赤旗』に、私の談話が掲載されました。以下のようなものです。

 「前回の総選挙は民主党がダメとなった後の選挙で、今度の総選挙は『第三極』がダメとなった後の総選挙です。安倍政権の2年間の審判が問題になるとすれば、残された選択肢は日本共産党しかないということになります。
 それでも『共産党で勝てるのか』と疑問に思う人がいるかもしれませんが、今度の沖縄県知事選挙の教訓を考える必要がある。沖縄では共産党を含めた保守・革新を超えた島ぐるみの共同で新基地建設に反対する新知事を誕生させました。安倍首相に危機感を抱いている保守も含めた幅広い人々と共産党との共同で安倍政治を止めるしかありません。
 前回の選挙では民主党に幻滅し、棄権した人たちもいたし、今回は『第三極』に裏切られた人も含め、選択肢を探しています。そういう層への働きかけに成功すれば前進できます。」

 この談話について、もう少し説明しておきましょう。それは、今回の総選挙に向けて、かつてない政党状況の流動化と大転換が生ずる可能性があるからです。

 前回の総選挙は、民主党主体の連立政権に対する失望によって彩られています。そのために民主党を離れた票は2000万票に上りました。
 このうちの半分は棄権し、半分はおそらく第三極に流れただろうということは、昨日のブログで指摘した通りです。今回の総選挙では、まず棄権した1000万票を呼び戻して投票所に足を運んでもらわなければなりません。
 その時、これらの人々はどこに入れるでしょうか。元の民主党に入れるのか、それとも第三極に投票するでしょうか。

 その第三極ですが、前回の総選選挙以降、分裂に継ぐ分裂で有権者の期待に応えたとは言えません。54議席を獲得して57議席の民主党に肉薄した日本維新の会ですが、橋下徹共同代表の慰安婦問題発言で支持を失い、石原慎太郎共同代表らが脱退して次世代の党を設立し、結の党を吸収合併して維新の党となっています。
 前回の総選挙で18議席を獲得したみんなの党は悲惨な末路を辿りました。渡辺代表と江田幹事長の対立によって江田グループが離党して結の党を結党しますが、渡辺代表は政治資金問題で引責辞任に追い込まれ、浅尾慶一郎後継代表とも対立し、結局、解党を決めて間もなく消滅する運命にあります。
 さらに、総選挙直前に嘉田由紀子滋賀県知事を代表とし、小沢一郎さんなどの国民の生活が第一、山田正彦さんなどの減税日本・反TPP・脱原発を実現する党などが合流して結党された日本未来の党にいたっては、すでに覚えている人も少ないことでしょう。総選挙で9議席を獲得したものの、その後すぐに解散し、小沢グループが生活の党を結成しています。

 前回の総選挙でこの3党が集めたのは、小選挙区で1274万票、比例代表区で2092万票にも上りました。そのすべてが流動化するわけではありませんが、比例代表区の半分が投票先を失うとしても約1000万票になります。
 つまり、民主党を見限って第三極に流入した票は、今回の選挙では第三極を離れて流動する可能性があるということです。これらの票が、一度は見捨てた民主党に還流するとは限りません。
 「前回の総選挙は民主党がダメとなった後の選挙で、今度の総選挙は『第三極』がダメとなった後の総選挙」だということは、これらの2000万票が支持する先を求めて浮遊している状況にあるということを意味しています。今回の選挙で「安倍政権の2年間の審判が問題になるとすれば」、これらの票が自民党に向かうとは考えられません。そうなると、主要な政党としての選択肢では、日本共産党しか残らないということになります。

 ここに、今回の総選挙をめぐる政党状況の特徴があります。さらに言えば、前々回の選挙では自民党はだめだということがはっきりして政権交代が起きていましたから、09年総選挙は、自民党はダメとなった選挙でした。
 自民党も民主党も第三極も、歴史の審判において落第したということになります。2009年総選挙では自民党が信を失い、12年の総選挙では民主党が見放され、今回の総選挙では第三極の破たんが明らかになっているのですから……。
 日本の有権者は5年前に自民党政治を見限って民主党に希望を託しましたが、見事に裏切られてしまいました。2年前に第三極を標榜する日本維新の会やみんなの党に期待を寄せましたが、これらの党は分裂したり解散したりして自滅への道をたどっています。

 このような状況下で、「政治を変えてほしい。まともな政治を実現して欲しい」という願いを託せるのはどこか。答えは明確になりつつあります。
 もはや政治変革の期待を託せる選択肢は一つしか残っていません。日本共産党を中心とする革新勢力です。
 今回の総選挙では、このような新しい状況の下でこれまでにない取り組みによって新たな政治の地平へと至ることができるかどうかが試されています。選挙によって日本の政治を根本的に変える「日本革命の展望」を切り開かなければなりません。

 それは選挙を通じての「革命」であり、本格的な「選挙革命」に挑戦することが共産党にとっての歴史的な使命になっているということでもあります。そのためには何が必要なのでしょうか。どうすれば良いのでしょうか。それが、次の問題です。

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