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12月1日(月) 「身を切る改革」と言うのであれば政党助成金を廃止するべきだ [政党]

 政治活動にはお金がかかります。それをどのように負担するのか、どこからそのお金を得るのかというのは政治資金の収入=「入口」論です。
 同時に、それをどう使うのか、何に支出するのかという問題もあります。これは政治資金の支出=「出口」論です。
 「政治とカネ」疑惑の根絶にはこの両面での改革が不可欠です。今度の選挙では、この問題も大きな争点になっています。

 第1に、「入口」については、企業・団体献金と政党助成金との二重取りという問題があります。1995年に政党助成金が導入された時、5年後に禁止されるはずだった企業・団体献金がその後も残ったからです。
 特に、企業からの献金については、効果があれば買収に当たり、効果がなければ背任になるという問題が指摘されてきました。今回のように、大もうけさせてもらった見返りに献金額を激増させるような場合もあります。
 このような企業献金はとっくの昔に禁止されるべきでした。それが継続されてきたところに、「政治とカネ」の問題が再浮上してくる原因があります。

 第2に、消費増税との関連で「身を切る改革」論の問題があります。「増税の前にやるべきことがある」という論理で、議員定数を削減しようというわけです。
 これは、一方では消費増税を国民に押し付け、他方ではその弁解として衆院比例代表選出議員を減らそうというものです。国民に税負担を押し付けつつ、民意を反映する機会を狭めようとするもので、二重の誤りです。
 「身を切る改革」というのであれば、国民の税金から支出される政党助成金を廃止するべきでしょう。1995年から2004年までの10年間で3125億9600万円という巨額の資金が政党に渡されてきたのですから……。

 第3に、政治資金の「出口」についても、本当に政治活動に使われているのかという問題があります。去年の政治資金収支報告書についてのNHKの調査では、飲食費や贈答品などへの支出が約5億4000万円にも上り、政治活動費の8%になっていました。
 中には銀座や赤坂、六本木の高級クラブを頻繁に利用したり、飲食費だけで年間1000万円以上を支出したりした団体があり、贈答品などへの支出は138団体で合わせて7200万円余りで、デパートの商品のほか議員の地元の特産品や農産物などを購入しています。このほか、交際費や渉外費などの名目での花代や香典、祝い金の支出は157団体で4000万円余りに上っていました。
 このような支出が、政治活動だと言えるのでしょうか。政治資金の使い道についても、有権者の疑惑を招くようなことのないようにしなければなりません。

 政治にたくさんのお金がかかるのは、政治活動以外にも使われているからではないでしょうか。政治活動以外に金を使う余裕があるのは、政党助成金と企業献金の二重取りによって政治資金がダブついているからです。
 このような形で政治資金が豊かになっているために無駄使いが生じ、経理の辻褄さえあえば何にでも使えるというのが実態です。宮沢経産相の「SMバー」への支出などが政治活動だなどと言えるわけがありません。
 政党助成金は使い残しても国庫に返納する義務はなく、「基金」などの形で繰り越すことができます。政党の収入に占める助成金の割合は、自民党で6割、維新の党では7割、民主党に至っては8割などにも達し、支持を訴えて資金をカンパしてもらう地道な活動をサボらせ、政党としての自力を低下させてきました。

 この政党助成金の廃止こそ、本当の「身を切る改革」にほかなりません。国民一人当たり250円という税金が強制的に徴収され、支持してもいない政党に配分されてしまうとんでもない制度なのですから……。

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