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3月26日(木) 菅官房長官は自衛隊が憲法違反であることを認めるのか [自衛隊]

 軍隊ではないから憲法に違反しないのだというのが、これまでの説明でした。それが軍隊だというのであれば、憲法に違反することになります。

 昨日のブログで、安倍首相の「我が軍」発言について「失言だった」と書きました。しかし、そうではなかったようです。
 安倍首相は、この言葉を取り消していません。菅官房長官は「答弁の誤りにはまったく当たらない」と強弁しました。
 安倍首相が「我が軍」と言ったのは、うっかり口を滑らせた結果ではなかったということになります。もともと、政府が公式に自衛隊を「軍隊のひとつ」と認識しており、そのことを表明する機会を狙っていたということなのでしょうか。

 菅官房長官は昨日の記者会見で、安倍首相が自衛隊を「我が軍」と答弁したことについて、「自衛隊は我が国の防衛を主たる任務としている。このような組織を軍隊と呼ぶのであれば、自衛隊も軍隊の一つということだ」と述べました。
 菅さんは「自衛隊は憲法上、必要最小限度を超える実力を保持し得ないなどの制約が課せられており、通常の観念で考えられる軍隊とは異なる」と、従来の政府見解に沿って自衛隊の解釈を説明しました。そのうえで、「自衛隊は一般的に国際法上は軍隊に該当することになっている。自衛隊が軍隊かどうかというのは、軍隊の定義いかんによるものだ」と発言しています。
 首相答弁についても、「全体の流れとして、外国の軍隊と共同訓練をしていることに対しての質問の中で、自衛隊を『我が軍』と述べた。答弁の誤りにはまったく当たらない」と語りました。

 ということは、「国際法上は軍隊に該当」し、「軍隊の定義いかん」では「自衛隊が軍隊」であることを認めたことになります。「我が国の防衛を主たる任務としている」「組織を軍隊と呼ぶ」のであれば、「自衛隊も軍隊の一つ」だというわけです。
 自衛隊についての、このような解釈や説明の変更は、いつから、どのようにして、なされたのでしょうか。定義や見方によっては、自衛隊も軍隊だという、以前から繰り返されてきたものとは明らかに異なる見解への大転換は……。
 このような新しい見方は、政府の正式な見解なのでしょうか。そうであれば、憲法で規定されている「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」という第9条2項の規定との整合性をどう説明するのでしょうか。

 従来の説明は、昨日のブログでも引用した2006年12月1日の第1次安倍内閣の際に、安倍首相自身によって示された「保持することが禁止されている『陸海空軍その他の戦力』には当たらない」というもので、自衛隊は「実力」であって軍隊ではないとされてきました。しかし、今回の答弁では、一定の条件を付けながらも、「軍隊」であると説明されています。
 つまり、安倍首相も菅官房長官も、「軍隊の定義いかん」では自衛隊が憲法違反になることを認めたことになります。そのことの重大な意味を、これらの人は分かっているのでしょうか。

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