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2月27日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』2月27日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:何から何まで国民愚弄 「税金一揆」の怒りの火に油を注ぐ政倫審

 国会運営上、数の力で劣る野党が取れる手段は限られていて、予算案の審議拒否などは民主主義を守るうえで少ない手段のひとつなのだが、いつの間にか、予算案成立に抵抗する野党が悪者にされてしまうことが続いてきた。今回は、能登半島地震の対応が含まれているからなおさらだ。

■補正予算を組まなかった不誠実

 だが今回、仮に予算案の成立が遅れて震災対応にも支障があった場合、それは完全に政府・与党の責任だ。能登震災の対応を最優先に考えるなら、補正予算案を組んで、通常国会冒頭で成立させておくべきなのである。それを予備費で対応するとか言っている岸田政権が不誠実なのだ。最初から予備費を含んだ来年度予算案を人質にして裏金問題を乗り切る算段だったとすれば、あまりに浅ましいし、被災地のことも、国民も愚弄しているというほかない。

 「予算が通ったからといって、裏金問題が終わるわけではありません。政倫審の開催を区切りにウヤムヤにされれば、国民は絶対に納得しない。野党は引き続き、参考人招致や証人喚問を徹底して求めていく必要があります。来年度予算が年度内に成立しなければ、それは真相究明にも説明責任にも後ろ向きな与党側の責任なのです」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 予算案が衆院を通過してしまえば、自民党は予算委の参考人招致にも証人喚問にも応じなくなるだろう。政倫審で幕引きし、世論が忘れるのを待っているのだ。こんな政倫審が茶番でなくて何なのか。


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