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9月16日(水) 安倍暴走政治によって満身創痍に陥った日本 [首相]

 安倍暴走政治もここに極まれり、という段階を迎えたようです。国民の反対を無視して、今日の地方公聴会の後に特別委員会を開いて採決を強行しようとしています。
 この安倍暴走政治によって、日本の外交、安全保障、経済、社会はズタズタにされてきました。「安倍暴走政治を許さない」という声は戦争法案だけに向けられたものではなく、日本を満身創痍にしてしまった安倍首相の施政全体に向けられています。

 第1に、安倍首相は「戦後70年」という周辺諸国との和解のチャンスを棒に振ってしまいました。侵略戦争を反省し、その責任を明らかにして再び過ちを繰り返さない決意を示すことで中国や韓国など周辺諸国との和解と友好促進に役立ってこそ、「戦後70年談話」を出す意味があったはずです。
 ところが、安倍首相は村山談話を上書きして戦争責任を曖昧にするための機会としてこれを利用しようとしました。内外からの批判に押されてこれが難しくなってもなお、侵略戦争であることを曖昧にしたうえで自らの言葉で反省を語ることを回避しました。
 そのために、中途半端で欺瞞に満ちた談話となり、周辺諸国との和解や友好の促進に役立ち「日本周辺の安全保障環境」を好転させるようなものとはなりませんでした。結局、安倍首相は周辺諸国との関係を改善する能力を持たず、和解と友好にとっての最大の障害は首相自身であるということを、またもや証明したにすぎませんでした。

 第2に、安倍首相は戦争法案の提案と審議を通じて「平和国家」という日本のイメージをぶち壊しました。戦後の日本は戦争とは距離を置き、非軍事的な手段で平和の構築に努める姿勢は広く国際社会に認められてきました。
 そのために、「平和国家」としての日本のイメージは国際社会に定着し、それは日本のブランドとしてだけなく平和外交にとっての政治的資産として大きな役割を演じてきたはずです。戦後70年もかかってそのようなイメージを定着させてきた先人の努力を、安倍首相は踏みにじろうとしています。
 戦争法案が成立して「海外で戦争する」国になってしまえば、「平和国家」としてのイメージも戦争とは距離を置いてきたあり方も、大きな変容を迫られることになるでしょう。しかし、このような安倍政治の暴走に対して多くの国民が異議を申し立て、国会をとりまいて抗議する姿を国際社会に発信できたことはせめてもの救いでした。

 第3に、鳴り物入りの「アベノミクス」でしたが、安倍首相の経済対策は景気回復のカギである内需の拡大に失敗しました。確かに、異次元の金融緩和によって円安が誘導され株価は上がりましたが、儲けたのは一部の大企業と富裕層、それに外国人投資家だけです。
 大規模財政出動によっても景気は回復せず借金ばかりが膨らみ、財政赤字は1000兆円を超えています。大企業の内部留保は増えましたが、国民は景気回復を実感できず、家計消費は低迷したままです。
 日本経済の先行きは不透明で株価は乱高下を繰り返し、中国の経済危機に影響を受けた世界経済にも暗雲が漂い始めました。そこに直撃するのが消費税の10%への引き上げというわけですから、消費不況からの脱却どころかさらに不況が深刻なものとなることは確実です。

 第4に、安倍首相は労働者派遣法の改悪によって非正規化と雇用の不安定化を拡大しました。延長国会の最終盤、戦争法案をめぐる審議のドサクサに紛れて「生涯ハケン」を可能にするような改正労働者派遣法を成立させています。
 派遣という働き方は、これまでは「一時的・臨時的」なもので、業務の繁忙期に限った例外的な働き方だとされてきました。それが、常用労働者として継続的に雇用できるようになります。
 使う側からすれば、正社員をコストの安い派遣社員に置き換え、3年ごとに職場を変えて雇用し続けることが可能になりますが、働く側からすれば、正社員の地位が不安定になり、派遣社員としていつまでも働かされ、仕事を覚えたと思ったら3年で職場を変わらなければ働き続けられなくなります。雇用は不安定になり、働く条件は低下し、技能の習得や蓄積は困難になって、さらに貧困化や少子化が進むにちがいありません。

 第5に、安倍首相は国民の声に耳を閉ざして民主主義を破壊しました。戦争法案については国民の8割が説明不足だとし、首相自身も理解が進んでいないことを認めているのに、成立すればいつかは理解されるとして審議を終了させ、採決を強行しようとしています。
 問答無用の独裁的な政治運営だと言わなければなりません。唯我独尊の強権的手法は、安倍首相において特に際立っています。
 昨日の中央公聴会でシールズの奥田愛基さんが「この状況を作っているのは紛れもなく、現在の与党のみなさんです。つまり、安保法制に関する国会答弁を見て、首相のテレビでの理解し難い例え話を見て、不安を感じた人が国会前に足を運び、また、全国各地で声を上げ始めたのです」と語っていましたが、「民主主義の目覚まし時計」となったのは安倍政治による暴走そのものでした。これは日本社会に対する安倍首相の大きな「貢献」でしたが、首相自身にとっては最大の「誤算」だったでしょう。

 まだありますが、さし当りこれくらいにしておきます。政治に対する国民の目を開き、民主主義を活性化させた安倍暴走政治の「誤算」をもっと大きなものにするために、今日も国会前に行こうではありませんか。
 満身創痍となった日本を救うためには、戦争法案を阻止するだけではなく、安倍政権そのものを打倒しなければなりません。戦争法案審議の国会最終盤を、安倍政権を打倒する運動の序盤にしようではありませんか。
 昨日に引き続いて今日も、私は国会前での抗議の人々の波に加わるつもりです。「安倍暴走政治を許さない」ために……。

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