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11月20日(日) トランプ当選による容易ならざる事態を打開するために何が必要か [国際]

 アメリカのトランプ大統領候補の当選について様々な論評がなされています。今後の行く末についても、楽観論と悲観論の両方があります。
 日本に対する政策やその影響についても、様々な憶測が流れていました。これらの観測や憶測に対して、新政権の陣容が整うにつれて次第に回答が明らかになりつつあります。

 トランプ当選を生み出した力は、第1に、グローバル化や新自由主義によって生み出された貧困化と格差の拡大に対する白人労働者を中心とする不満の増大であり、第2に、対立候補であったクリントンさんの不人気とオバマ前大統領の「チェンジ詐欺」に騙された人々によるオバマ後継候補に対する反発であり、第3に、選挙人を選ぶという間接選挙の制度的不備でした。これらが重なりあって、トランプの「ババ抜き」でジョーカーを引くような結果を生み出してしまったのではないでしょうか。
 トランプさんは当選後、「すべての国民のための大統領になる」と宣言して過激な言動を抑制し、融和を口して柔軟姿勢を示しました。そのために、「それほど極端なことはやらないのではないか」という希望的な観測や楽観論が広まりましたが、これは新政権の陣容によって裏切られる結果となっています。
 今日の『朝日新聞』で「現実的路線や議会との調和を演出しつつ、自身がこだわる政策では譲らないという思いが透けて見える」「今回の人事は、移民問題やテロ対策などの看板政策では、たとえ批判を受けようとも、自身の考えに近い布陣で実現に向けて突き進むという姿勢を示しているかのようだ」と評されているように、閣僚人事は人種差別主義者や右派・タカ派の強硬論者のオン・パレードとなりつつあります。この陣容を見れば、トランプ新大統領は選挙戦で語っていた過激な政策を変更するつもりがないこと、その主要な政策を実行するつもりであることが分かります。

 このような危険な本質を見誤り世界中に恥をさらしてしまったのが、日本の安倍首相です。トランプ当選に慌てて、御機嫌うかがいのためにニューヨークに飛んでいったからです。
 そして、安倍首相はトランプさんにコロッと騙されてしまいました。会見後、安倍首相はトランプさんが「信頼できる指導者だということが分かった」と述べましたが、信頼できない指導者である安倍さんにそう言われたからといって、信頼できるわけがありません。
 トランプさんを世界中に売り込んで不安を払しょくするために、安倍首相は使われてしまったようです。トランプの「手品」の「サクラ」として、うまく利用されたというところでしょうか。

 トランプ当選による悪影響は、すでに具体的な現実として姿を現しています。アメリカ国内では抗議デモやマイノリティに対する差別的言動が繰り返されているからです。
 当選後、融和を口にしたトランプさんですが、このような分断の動きに対してまったく対応しようとしていません。それどころか、新政権の中枢に差別主義者を起用して、このような分断を拡大する危険性を生み出しています。
 このような新政府の陣容からすれば、日本に対しても厳しい注文が寄せられる可能性があります。トランプの「手品」に魅せられ取り込まれてしまった安倍首相は、これにきちんと対応できるのでしょうか。

 日本では先の参院選で、衆参両院で改憲勢力が3分の2を越え、安倍首相の任期延長も決まりました。海の向こうでは、トランプ新大統領が日本に対してこれまでとは全く異なったアプローチを行う可能性が強まっています。
 日米両国で、容易ならざる情勢が生じたということになります。今後の推移を注視する必要があるだけでなく、このような危機をどう打開し、どのように抜け出すかが問われなければなりません。
 そのために何ができるでしょうか。どうする必要があるのでしょうか。

 私たちにできることは、トランプ新大統領の忠実なしもべとして取り込まれてしまった安倍首相の退陣に向けて、衆院選への取り組みを本格化させることです。衆院選で政権交代を実現することが最善ですが、少なくとも与党を大敗させれば安倍首相は政治責任を問われ、退陣に追い込まれる可能性が生まれます。
 そのためには、自民党が恐れている野党共闘を推進し、小選挙区での候補一本化を実現することです。ことここに及んでも共産党との共闘に消極的な姿勢を示している民進党の蓮舫代表は、そのような「贅沢」を言っていられるような場合ではないこと、それは許されざる利敵行為にほかならないということを自覚しなければなりません。

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