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1月15日(日) 先が見えない混乱期にこそ求められる真実を見極める力 [政局]

 先が見えない。最近のマスコミ報道などを見ていての率直な感想です。
 アメリカのトランプ新政権、日本の安倍政権の今後、そして東京の築地市場の移転問題。どれを取ってみても、予見可能性が極端に低下しています。

 この先どうなるのかが分からなければ、不安が高まります。混乱も強まることでしょう。
 海図の無い海域で、壊れた羅針盤を頼りに航海しているようなものです。行きあたりばったりでの近視眼的な対応が増えるにちがいありません。
 その都度、政治の当事者やマスコミは右往左往することになります。「ポスト真実」や「偽ニュース」の横行は、このような混乱を増幅することになるでしょう。

 間もなくトランプ新政権が発足します。それに向けて行われた記者会見で明らかにされたのは新大統領の異常な姿でした。
 ロシアに弱みを握られているのではないかとの疑惑が明らかになりました。女性が絡むスキャンダルなどを暴露したのはイギリスの諜報機関ⅯI6の元ロシア担当チーフだったクリストファー・スティールという人物で、この人が書いた35ページの報告書の真偽が焦点になっています。
 新政権の閣僚候補者の審査も行われていますが、言っていることがバラバラです。トランプ新大統領の公約と違うだけでなく相互の発言も異なっており、今後、政府内での不一致が表面化する可能性があります。

 日本では、トランプ新大統領の就任式が行われる20日に通常国会が召集されます。この国会で焦点になりそうなのがテロ対策を前面に出した組織犯罪処罰法改正案です。
 その中心になるのは「共謀罪」です。テロ組織や暴力団などによる組織犯罪を未然に防止するためだとされていますが、相談しただけで罪に問われ、捜査機関の拡大解釈による不当逮捕や人権侵害につながる可能性がある極めて危険な法案です。
 その本質は「現代の治安維持法」ともいうべきものですが、オリンピックへの対策を前面に出し、名前を言い変えるごまかしによって成立させようとしています。通常国会に提出されれば、大きな反発を招くことは避けられません。

 東京都の築地市場の豊洲移転問題でも、新たな展開がありました。地下水モニタリング調査で有害物質のベンゼンが最大で環境基準の79倍も検出されたという驚くべき事実が、メデイアで一斉に報じられています。
 豊洲の移転候補地は元東京ガスの工場跡地で、汚染されているから市場の移転候補地としては相応しくないと売却を渋ったという経緯があります。もともと、このような場所に移転しようとしたことが間違いなのです。
 移転についての判断の先延ばしではなく、早急に移転中止という判断を行うべきでしょう。その結果生ずる損失については、石原慎太郎元都知事をはじめ、このような愚かな決定をゴリ押しした責任者たちに負担させるべきです。

 このような混乱期にこそ、賢明な判断が求めらるものです。偽りの情報やデマに惑わされることなく、事実は何かを見極める力を身に付ける必要があります。
 タガが外れたような政治の惨憺たる有様に呆れてしまいますが、絶望して諦めてしまったのでは一歩も前に進むことができません。私たち自身の手で海図を書き羅針盤を修理することでしか、航海を続けることはできないのですから。

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