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7月8日(金) 自民・公明の与党と維新の会を勝たせてはならないこれだけの理由(その1) [参院選]

 戦争と平和、命とくらしをめぐって注目された参議院選挙が最終盤を迎えました。その選挙情勢は相変わらず自民・公明の与党が堅調で、過半数確保は確実のようです。
 野党では、維新の会が立憲民主党を猛追しており、比例代表で野党第一党になる可能性があると報じられています。まだ4割近くの有権者が投票先を決めていないという調査もあり、情勢が大きく変わる可能性もありますが、このまま自民・公明の与党と維新が勝つということで良いのでしょうか。

 第1に、今回の選挙では物価高に焦点が当たり、それに抗して暮らしを守るのか壊すのかが大きな争点になりました。低収入と格差の拡大、新自由主義とアベノミクスの継続、異次元の金融緩和と極端な円安、経済無策を放置してよいのかも問われています。
 このような政治を続けてきた与党が勝てば、それで良いと有権者によって承認されたような形になりますし、大企業のための新自由主義的な規制緩和を主張する維新の会が勝てば経済はもっと悪くなります。世論調査では反対が多い岸田政権の物価高対策についても、このままで良いということになってしまうでしょう、
 野党のほとんどは消費税の減税を打ち出しており、参院選は消費税減税をめぐって事実上の国民投票のようになってきました。物価高の大きな波が押し寄せてくるのは夏から秋にかけてのこれからですから、与党が勝てば国民生活の危機はさらに大きなものとなるにちがいありません。

 第2に、今回の参院選はウクライナ侵略の後ということもあって、戦争か平和かの岐路での重大な選択が問われることになりました。選挙の結果次第では、GDP1%の防衛費が倍加され11兆円にまで増やそうという大軍拡に向けての推進力を与えることになってしまいます。
 このような大軍拡は周辺諸国の警戒心を高めて軍拡競争を引き起こし、国富を軍事に振り向けることによって経済成長の足かせとなり、財源確保のための増税によって国民生活を脅かすことになるでしょう。百害あって一利もない大軍拡にゴーサインを出してはなりません。
 翼賛体制の下、知らず知らずのうちに戦争へと引きずり込まれた戦前のようになってきました。自民党だけではなく維新の会も防衛費の倍増と核共有を主張しており、これにストップをかける最大のチャンスが今回の選挙です。

 第3に、このような好戦的なキナ臭い空気が強まるなかで、憲法9条が危うくなってきました。憲法9条を捨てるのか活かすのかが問われる重大な局面が生じています。
 この選挙で、与党だけでなく自民党以上に好戦的で9条改憲に積極的な維新の会を勝利させれば、選挙後の国会で改憲発議に向けての動きが強まるでしょう。もし、憲法9条に自衛隊を明記することになれば、平和主義は空洞化し、戦争への歯止めが外され、自衛隊を守ってきたバリアーが消え、学術研究も軍事転用が優先されて自由に発展できず、平和経済から軍事経済へと転換することによって国際的な競争力を失ってしまうにちがいありません。
 これまでの日本は、安保体制によってアメリが始めた戦争への協力を強いられましたが、9条という憲法上の制約があるために全面的な加担を断り戦争への深入りを避けることができました。憲法9条を盾にして、ベトナム戦争に協力はしても自衛隊を派遣せず、イラクに陸上自衛隊を派遣しても「非戦闘地域」のサマーワで水の供給や道路の補修という非軍事的業務に従事したため殺すことも殺されることもなかったという事実を忘れてはなりません。

 今回の選挙では、この9条の制約、日本を守ってきた盾を放り投げても良いのかが問われています。まさに、日本の平和と安全、これからの進路と未来を左右する重大な選択がかかった選挙です。
 平和と安全を守る決意をはっきりと示すためにも、自民・公明と維新の会などの改憲勢力にきっぱりとした審判を下さなければなりません。憲法9条こそ戦争への防波堤であり、日本を守ってきたのですから。
(この項続く)

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