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7月22日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』7月22日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「史上空前の無責任 魚は頭から腐るが岸田政権も同じ」

 デジタル庁への立ち入り検査後に会見した個情委の幹部は、紐づけトラブルについて「単純なミスと見るのではなく、運用体制や組織的な要因をしっかり調べることが重要だ」と、厚労省や国税庁、地方自治体などへ調査範囲を広げる可能性に言及。デジタル庁に対しては、行政指導も視野に入っている。

 ところが、である。マイナ制度の根幹を揺るがす重大事態なのに、デジタル庁トップの河野大臣はのんきに外遊中。北欧からいったん帰国したものの翌日には中東へ飛び、10日以上も留守にして、22日まで戻らない。立ち入り検査については「個情委の求めに応じて適切に対応してまいります」と通り一遍のコメントを出しただけなのだ。

 呆れた「俺様大臣」だが、河野の“上から目線”は今に始まったことじゃない。国会答弁では自治体に責任を押し付け、マイナカードの自主返納を「その程度の数」と切り捨てたのがいい例だ。だいたい、今は政府を挙げて「マイナ総点検中」じゃないのか。身内の自民党内から「大事な時に大臣が不在とは無責任すぎる」との声が上がったほどである。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「立ち入り検査があるから逃げ出したんでしょう。そう見えてしまいますよ。検査は“予告”されていたのだから、『マイナ制度の責任者として外遊を中止します』と言えば国民の評価も高まるのに、そういう判断ができない人物であることを自ら示した形です。今は、外国のデジタルの実態調査より、日本の実態調査をする時でしょう。無責任というだけでなく、取るべき行動を政治判断できない。これは資質の問題です」

 文春は再捜査時に木原の妻も事情を聴かれていたことを報じ、木原の愛人が木原本人から「俺がいなくなったらすぐ(妻が)連行される」と聞かされたことを知人に打ち明ける音声もネットに公開した。捜査が縮小されたのは、「妻が自民党の政治家の家族ということでハードルが上がった」としている。

 これに対し、木原は「事実無根」と主張。代理人弁護士が司法記者クラブに「刑事告訴する」と宣言する文書を出しているが、文春報道から2週間以上経っても、木原本人の口からは何も語られていない。

 木原は「陰の総理」と呼ばれるほどの岸田の最側近である。疑惑に口をつぐんだままで岸田内閣はこの先、成り立つのか。

 世論を無視した汚染水放出を進めようとしている西村経産相も問題だ。「地元の理解を得る」の約束を反故にしたまま突っ切るつもりなのか。岸田に負けず劣らずの“棒読み”官房長官も存在感ゼロ。よくぞスポークスマンを続けていられるものだが、とにかく岸田内閣はあり得ないような面々ばかりである。史上空前の無責任内閣と言っていい。

 前出の五十嵐仁氏が言う。
 
 「『魚は頭から腐る』ということですよ。岸田首相は秘書官に就けた長男もきちんと制御できなかった。首相としても父親としても問題がある。トップがこれほど緊張感がなく、範を示すことができないのですから、下が緩むのは当然です。首相は木原官房副長官に対しても、『丁寧な説明』を指示すべきでしょう」

 もはや自民党内で「岸田降ろし」が起きないことが不思議ですらある。

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