SSブログ

9月28日(木) 〝タガ〟が外れた岸田政権で日本はどうなる?(後半部分の1) [論攷]

〔以下の講演記録は『東京非核政府の会ニュース』No.425、9月20日付に掲載されたものです。後半部分を2回に分けてアップさせていただきます。〕

 7月1日に開催した東京非核政府の会第36回総会での記念講演の前号からの続きです。(編集部)

 暴走か民主か 逆行政治から人権を守る

 岸田政権は、経済無策でほとんどお手上げだが、景気を良くすることは簡単、給料を上げればよい。年金を増やす。そして支出を減らす。税金、特に消費税を半分。社会保険料を上げない。福祉を充実して、将来に対する不安をなくす。そうすれば使えるお金、可処分所得が増える。
 これに魅力的なイノベーション、サービスが提供されれば、どんどんみんなお金を使って景気は良くなる。今はまったくそれと逆のことがやられている。
 確実にこれから日本は貧しくなる。今は円安だが、日本全体が価値を減らしてしまっている。
そういう中で、「暴走か民主か」ということだが、岸田さんはG7の時に「価値観の共有」ということを強調した。日本は価値観を他のG7の国々と共有しているわけではない。
 プラス面とマイナス面がある。プラス面は何か。日本は9条を持っている。武力による威嚇や行使はしない。抑止力に頼らない。戦争を放棄している。そういう国だから紛争には直接関わらない。武器輸出もやらない。日本がウクライナに行かなかったのは、9条を持つ日本にとっては当然の対応だった。日本としては正しかったのだ。
 ところが岸田さん、ウクライナ支援をやって、広島にまで招待して、「一体となって支援する」という。深く戦争にコミットするという態度を示してしまった。逆に言うと、ロシアに対する敵対的立場を鮮明にしたことになる。
 岸田さん、領土問題をどうするんだ。戦争が終わってから頭かいて「いや、北方領土返してもらいたいんですけど」とプーチンに会いに行くのか。もう完全に領土問題は、国民に問うことなく放棄してしまった。
 安部さんは4島返還を2島返還に値切り、さらに岸田首相は2島返還どころかロシアとの領土交渉の手掛かりすら放り投げてしまった。

 次々悪法成立 岸田政権の「命取り」に

 数々の悪法成立への暴走が通常国会で繰り返された。原発推進法、入管難民法、改定マイナンバー法、LGBT理解増進法などなど。G7の他の国はジェンダー平等とか、性的マイノリティーに対する権利擁護あるいは同性婚実現のためのさまざまなルールや法制度を実現している。日本だけ実現していない。LGBTに対する差別について、G7の他の6カ国の日本駐在の大使が日本に対して、「ちゃんと法制度を作りなさい」と勧告する文書を出すぐらいひどい。
 自由で開かれた国だと盛んに強調して、自由で開かれたインド太平洋、法の支配に基づく国際秩序というが、岸田首相は法の支配に基づいていない。憲法を踏みにじっている。法の大本である憲法を守ろうとしていない。自由でもなければ、開かれてもいない。
 難民認定3回やって、まだ認定されない人は送り返してもよいという、そういう人権無視も甚だしい。LGBTについては、「国民が不安を覚えないような形にしなければならない。不当な差別はあってはならない」と法に定めた。正当な差別ならあってもよいのかということです。それなら。LGBTの人々は国民に不安感を持たせるような人たちなのか。まったく逆に内容が歪められてしまった。理解増進法ではなく、差別増進法ではないか。こう批判されている。
 マイナ保険証への切り替えも大問題。連日さまざまなトラブル発生が報道されている。信用できないという声が高まってきている。マイナ保険証を持って病院に行っても、問題が起きるかもしれない。だから念のために紙の保険証を持ってきてくださいと言っている。〝何だこれは?〟ですよ。だったら初めから紙の保険証だけでいいではないか。マイナ保険証というが、「ス」が入って「マイナス保険証」になっている。
 最近では、マイナンバーカードを返上する動きがどんどん広まっている。5月25日までに自主的に返納を申し出た人が45万枚、それから1カ月以上たっているのでもう100万枚ぐらいになっているかもしれない。保険証だから大切なものだ。間違ったら、例えば違う薬を処方されて飲んでしまったら、命に関わる問題が起こる。この問題は岸田政権にとっても「命」に関わるかもしれない。政権の命運を左右する可能性が出てきた。


nice!(1) 

nice! 1