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9月29日(金) 〝タガ〟が外れた岸田政権で日本はどうなる?(後半部分の2) [論攷]

〔以下の講演記録は『東京非核政府の会ニュース』No.425、9月20日付に掲載されたものです。後半部分を2回に分けてアップさせていただきます。〕

 あの「読売」調査も支持率激減

 内閣支持率が一気に下落している。日経新聞でも8ポイントの下落。驚いたのは読売新聞。15ポイントも下がっている。わざわざ政府に有利になるように質問内容を変えてまで世論調査をする、あの新聞でさえも15ポイントも落ちた。
 閉会中審査ということで議論がなされるようだが、岸田さん、凍結を言うしかないのではないか。すべての責任を河野太郎に押しつけて、当面これは見送ると表明するしかないところに追い込まれているようにみえる。
 もう一つ、国際的な流れと逆行しているのが原発推進だ。ドイツは、もう原発をやめ再生可能エネルギーに切り替える方向に向かっている。ジェンダー平等だって、134カ国中125番目ですよ、日本は。ひどいもんだなと思いますね。
 こういう時代逆行が、なぜ今の政権、特に自民党で強まっているのか。この背後には統一協会と日本会議の暗躍があるということです。こういう闇の勢力の支援を得るために時代逆行の政策を続けている。早く辞めさせる、その政権をストップさせるということが非常に重要になっているのではないかと思います。

 国政の対立構図 

 現在の国政の対立構図は、自公対野党ではない。自公の与党に野党などの一部、維新と国民民主が加わった4党、「悪政カルテット」といわれていますけど、これらの勢力対、野党の中でもまともな立憲野党、立憲民主党、共産党、社民党、れいわ新選組。こういう対立構図になっている。
 しかも、自民党はどんどん右に行ってしまった。自民党内部のリベラル派といわれていた宏池会、岸田さんのところですけれど、右派勢力に妥協する形で右に行ってしまった。宏池会の岸田さんの前の会長、古賀誠さんは「憲法9条は世界遺産」という本を書いている。古賀誠さんや河野洋平さんは、岸田軍拡を批判しています。これらの人々の居場所はもう自民党の中にはない。国民民主党も右へ行ってしまった。維新なんて、ずっと前から右のほうに行っています。真ん中から左の方「中道左派リベラル」の政治空間がぽっかりと空いてしまった。

 戦争に反対するすべてを結集して

 言ってみれば陣地を明け渡したということ。ここに立憲野党は支持を求めて勢力拡大を図らなければならない。チャンスだと思う。保守的ではあっても戦争に反対する人は多い。軍事的な対応はリスクを高めるだけだ。軍事対軍事は安全を求めていても危険度を増すだけだ。しかも、これを解決する展望、ビジョンをまったく今の自公政権は持っていない。軍備増強一直線だ。対話、交渉というソフトパワーによって戦争を抑制する、防止する。恐怖ではなくて、信頼関係によって平和を実現するというビジョンはまったくない。ここに一番大きな問題がある。
 市民と野党の共闘の再建を急ぎ、中道左派リベラルの人々を巻き込んで、東アジアにおける平和ビジョンを掲げて、貧国ではなく富国への道を指し示し、国民に選択を求める。いま、それが極めて重要になっている。

 情報戦の時代 声を上げ続けることが大事

 現在は情報戦の時代であって、なかなか本当のことが伝わらない。しかも自民党は長い間、戦後民主教育を敵視し、学校教育に介入し、教育基本法を変えて、関連する三つの法律まで改悪することで、政権に忠実で言うことを聞く、そういう批判力のない若者を育成しようとしてきた。
 しかし、今の若者は変わりつつある。環境問題やジェンダー平等、貧困問題、働き方の問題などについて関心を高めている。最近では食べていけない若者も増えている。食料支援などの活動を通じて声を上げる若い人たちも増えてきている。
 民主教育をぶっ壊そうとして、自民党は教育そのものをぶっ壊してしまった。今、先生のなり手がどんどん減り、公務員のなり手も減っている。民間企業にみんな行ってしまう。自衛隊もこれからどんどん志願者が減ると思う。今でも中途退職者が増えており、防衛大学校の任官拒否、高止まりだ。
 入隊のきっかけは「人の役に立ちたい。災害起きた時に助けたい」と入っている人はたくさんいる。そういう人たちに「自衛隊に入れば人助けできますよ」と言って今まで「だから入りませんか」と話していたのが、自衛隊に入ったら「人殺しできますよ。だから入りませんか」と、こんなことで増えるわけがない。今の自衛隊のままでいいではないかと考える人にとっては、本当に戦う軍隊にしてしまおうという岸田大軍拡路線は営業妨害だ。「やめてくれ」と言いたい自衛隊関係者は沢山いるのではないか。そういうこともきちっと情報として伝えていかなければならない。
 メディアも惨たんたるものです。特にテレビのワイドショーは、重要な情報についてきちっと問題を解明しないで、どうでもいいようなことばかりやっている。ネットはもっとひどい。フェイクニュースが満ちあふれている。こういう情報戦に打ち勝つために、私たちは学び、可能な形での情報発信をしていかなければならない。諦めず、事実の力をなお信じて「だまされるな」という声を上げ続ける。
 非核の政府を実現するためにも自らが学び、そして情報を発信していく。これがますます求められていると思う。

 次世代に自信をもって手渡せる社会を

 最初に言ったが、私は今年72歳。うさぎ年生まれの年男。だんだん耳が遠くなって、補聴器を使ったりしている。目は学生時代に右目を失明し、左目しか見えない。耳も目もなかなか思うに任せなくなっているが声は出る。話もできる。皆さんも足腰立たなくても弁は立つ。
 この力を生かして情報を発信し、声を上げ続けていくことが必要なのではないかと訴えたい。
 とりわけ、私と同世代の人たちに言いたい。私たちは日本の歴史の中でもまれに見る幸せな時代を生きてきた。戦争とも無縁。これからの若者はどうなるかわからない。
 この幸せで、それなりに高度成長の下で経済的にも豊かな生活を送ることができた世代だ。
 このような日本を後の世代にも手渡していかなければならない。ぜひ長生きをして、岸田自公政権に一矢報い、若い時に理想を掲げたその生き方を貫いて、これなら孫や子どもたちに手渡すことができるという、そういうう世の中にしてからお迎えを待つというのが正しい生き方ではないだろうか。少なくとも私はそうしたいと思っている。
(質疑は省略)

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