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10月25日(火) 負けるべくして負けた東京10区と福岡6区の衆院補選 [選挙]

 残念だった、という気も起きないほどの敗北です。力を尽くして負けたのならともかく、指導部の迷走によって敗色濃厚な消耗戦を強いられた挙句の敗北だったのですから。

 「戦犯」ははっきりしています。連合の神津会長とそれに引きずられて迷走を繰り返した野田民進党幹事長です。
 選挙戦の最終盤、東京10区で連合が派遣していた選対幹部を引き上げたと聞いて、「本当なのか?」とわが耳を疑いました。「これから最後の決戦」というときに、その先頭に立つべき幹部がこぞって引き上げたというのですから。
 こんなことをしていて、勝てるわけがありません。先陣をかけている候補者、全力で選挙活動に加わっている支持者、協力してもらっている他の野党などに対して、完全な裏切りです。

 この「敵前逃亡」に対しては、今後、民進党内できちんと責任が追及されるべきです。また、野党協力に対して一貫して消極的だった野田幹事長に対しても、選挙方針や指導の在り方についてきちんとした総括が必要でしょう。
 これは、新潟県知事選挙を含めて反省されなければなりません。勝てる選挙だったにもかかわらず民進党が「自主投票」にとどまったこと、蓮舫代表の応援を阻もうとしたことなど、野田さんの責任は大きいからです。
 衆院補選では、選挙共闘に向けてはっきりとした姿勢を示さず一本化が遅れたこと、その際にも政策協定を結ばず政策的一致点を明確にしなかったこと、他党の推薦を断って共闘候補であることを明確にせず民進党公認にこだわったこと、辞退してもらった候補者を紹介し応援演説してもらうなどの礼を尽くさなかったこと、野党党首クラスの揃い踏み演説にも候補者を出さなかったことなど、数え上げればきりがないほど問題山積でした。

 野田さんは選挙で勝つ気があったのでしょうか。「こんなことをやっていては負けますよ」と誰もが分かるようなことをすべてやって、それで負けてしまいました。
 まさに、負けるべくして負けた補選だったというべきでしょう。その責任は幹事長にあり、その背後で足を引っ張っていた神津連合会長の暗躍にあります。
 どうすれば勝てるのかという視点から選挙戦術を立て直し、本気で野党共闘に取り組む以外に活路はありません。民進党にとって有利か不利か、得か損かなどという利己的な発想ではなく、野党全体の前進によって市民の願いを実現するために誠実に力を尽くすという野党第一党としての責任と矜持を示していただきたいものです。

 昨日開かれた自民党の選挙対策の会議で、下村幹事長代行は次期衆院選の小選挙区では同党の議席が前回よりも86減る可能性があると警告したそうです。その前提は野党の候補者の一本化です。
 自民党ですら、どうすれば野党が勝てるかを知っているということになります。それなのに、野党第一党である民進党がいつまでも迷走を続けているということで良いのでしょうか。

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