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6月18 日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』6月18日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「解散言葉遊びの岸田首相 党利党略だけのセコさと卑しさ」

■「先送り地獄」で年末には七転八倒

 権力をもてあそんだ火遊びには必ず、大きなしっぺ返しが待っている。この間、岸田は解散戦略にとらわれ、選挙に不利となる負担増の決断は何でもかんでも「先送り」でゴマカし続けてきた。

 「GDP比2%」の防衛費増額に伴う防衛増税の開始時期はぼんやりしたまま。昨年末の税制改正大綱で「24年以降の適切な時期」として決着を延期した上、16日に閣議決定した骨太の方針では、さらに1年先送り。「25年以降のしかるべき時期とすることも可能」と、回りくどい悪文の見本のような表現で後ろ倒しを示唆した形だ。

 今年度から始まったGX(脱炭素化)投資の財源も当面はつなぎ国債で確保。10年間で20兆円規模の資金供出という大盤振る舞いに伴う安定財源の議論も先送り。年3.5兆円を投じる「次元の異なる少子化対策」も同様だ。骨太の方針では実質的な追加負担を求めないとしながらも、具体的な財源確保策は年末まで先送り。「3.5兆円でも実質負担ゼロ」なんて、まるで怪しい通信販売の売り文句。絵に描いた餅となるのがオチだ。これだけ「先送り」を連発しながら、岸田は「先送りできない課題に答えを出していくのが岸田政権の使命だ」と息巻いてみせる。一体どの口が言うのか。私利私欲首相の支離滅裂に国民はもう辟易だ。

 「政権への逆風を避ける狙いで負担増に正面から向き合わなかったツケが、年末にかけて噴出。『先送り地獄』にがんじがらめとなり、七転八倒する姿が目に浮かびます。G7広島サミット以上の見せ場もなく、もはや上がり目ナシ。支持率はダラダラと下がり、大増税を争点に掲げて総選挙に打って出る覚悟もない。党内の求心力を失っていくのは確実です」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 党利党略のセコさと卑しさにあふれ、決断できない“愉快犯”は近い将来、「野垂れ死に」の運命をたどることになる。

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