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11月2日(木) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』11月2日付に掲載されたものです。〕

*記事:わずか10日で2人目 岸田首相を襲う臨時国会「辞任ドミノ」の悪夢再来…昨年秋は政務三役が5人も辞任

 昨年10月3日に召集された秋の臨時国会では、旧統一教会との接点が相次ぎ発覚した山際経済再生相が10月24日に辞任、11月11日には葉梨法相が失言で辞任、11月21日に寺田総務相が政治資金問題で辞任した。会期後の12月には政治資金や公選法違反の疑惑がくすぶっていた秋葉復興相と、差別発言の杉田水脈総務政務官も辞任させることになった。3カ月足らずで政務三役が5人も辞任したことで、岸田首相の任命責任が問われ、内閣支持率もみるみる落ちていったものだ。

 それが今年は、先週の「週刊文春」にパパ活疑惑を報じられた山田太郎文科政務官に続き、早くも柿沢氏が辞任。10月20日に臨時国会が召集されてから、わずか10日で2人が辞任というスピード感だ。

 「岸田首相はよく“人事は適材適所”と言いますが、公選法に違反するような人をよりによって法務副大臣に就けるとは、適材適所ではないことを象徴しています。能力ではなく、派閥の推薦や女性を増やす目的で任命しているから、こういうことになる。これから国会審議が進めば、新閣僚も次々とボロが出てくるでしょう。ただでさえ、場当たりな減税政策が不評で支持率が急落している岸田首相には、閣僚辞任ドミノの再来は大打撃です」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)

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11月1日(水) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』10月29日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:野党も知恵なし 一時的なバラマキでは何も変わらない

 いまこそ、野党は岸田政権のデタラメなバラマキを追及すべきなのに、「野党は批判ばかり」「対案を出せ」という声にビビっているのか、自民党と一緒になってバラマキ合戦をしているのだから話にならない。

 対案を出すにしても、自民党とはまったく違う発想のモノを出すべきなのではないか。自民党と同じ発想では意味がないだろう。この国の政治家には、バラマキしか知恵がないのか。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「政治の大きな役割は、国民から預かった税金をどう分配すれば、国民生活にとって一番いいのか、熟慮することです。教育なのか、経済なのか、社会保障なのか。それも、目先だけでなく、5年先、10年先、数十年先を見据えて分配を考えなければいけない。なのに、恒久減税ならまだしも、たった1年間の定額減税や給付金を訴えるなど、あまりにも情けない。野党は岸田政権のバラマキを追及すべきなのに『給付だ』『還付だ』と、同じレベルで議論を展開している。浅はかだと言わざるを得ません」

 いまや、資本主義の権化であるアメリカでさえ、行き過ぎた新自由主義を見直すべきだ、という動きが出始めているくらいである。日本も、新自由主義を見直すべきではないのか。前出の五十嵐仁氏が言う。

 「壮大な“社会実験”だったアベノミクスは、この10年間で失敗だったことは明らかになったはずです。2023年の日本の名目GDPはドイツに逆転される見通しで、平均年収も韓国に抜かれてしまった。円の実力は53年ぶりの低水準です。これからは、稼げない日本で働く外国人が減る一方、海外へ出稼ぎする日本人が増えていくでしょう。もともと、岸田首相は看板政策に『新しい資本主義』を掲げ、『分配』を重視したのに、結局、富を一極に集中させるアベノミクスを継続している。安倍シンパに気を使っているのでしょうが、このままでは日本は停滞から抜け出せないと思います」

 野党はバラマキ合戦に付き合っている場合ではない。この国は、一時的なバラマキでは変わらない。アベノミクスとは、まったく違う政策が求められている。停滞を招いたA級戦犯の自民党を降ろさなければ、国民は絶望するしかない。

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