５月14日（金）　選挙制度を変えて小選挙区制の闇から抜け出すべきだ：五十嵐仁の転成仁語：SSブログ

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５月12日（水）　日本でも「拡大戦線」を..｜５月15日（土）　鳩山政権を追いつめるネ.. ブログトップ

５月14日（金）　選挙制度を変えて小選挙区制の闇から抜け出すべきだ　[選挙] [編集]

　……民主党政権は確かに「踊り場」ではあるが、階段を上ってきたからたどり着けた場所なのだ。まだ「２階」ではないからといって、「１階」に下りるような愚を犯してはならない。細川・羽田政権の教訓を思い出すべきだろう。
　政治を前に進めるためにどうするべきか、「２階」に上るために何が必要なのかが問題なのだ。政権交代によって、世論や政策、政治の可変性が増大している。政治・社会運動、労働運動の意義と役割が高まっており、政党支持も流動化している。
　民主党の迷走によって反自民・非民主の流れが生じ、政治変革に対する期待が宙に浮いてしまった。この浮遊する民意を、どこが引き寄せるのか。参院選を前に、本格的な政治転換に向けての民意の争奪戦が始まったのである。

　これは、５月９日にアップした拙稿「鳩山民主党政権の半年を採点する－参議院選挙では何が問われるのか」http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2010-05-09の最後の部分です。今は「踊り場」なので、これから「２階」に上ろうじゃないかと呼びかけたものです。
　拙稿では、「『２階』に上るために何が必要なのかが問題なのだ」と書きました。そうです。何が必要なのでしょうか。
　必要なものの一つは「階段」です。上りやすい「ハシゴ」でも良いです。途中にバリアーがあって、小政党がはじき出され、大政党しか通れないというのでは困ります。

　もう一つは、「上る人」です。階段やハシゴがあっても、政治を変えて欲しいという願いを背負って上る人が必要です。
　今ある政党や政治家の中にも、そのような「上り手」はいるでしょう。しかし、そのような意思はあっても、大きな荷物を背負ってスタスタと階段を登れるかどうかは、また別問題です。
　きちんと見極めなければなりません。中には、「１階」に降りてしまおうとしている輩もいますから……。

　新しい「上り手」を作り出そうというのが、５月12日付のブログ「日本でも『拡大戦線』を結成するべきだ」という提案です。今のところ、「できたらいいなあ」というほどの願望にすぎませんが……。
　今回の提案は、この「上り手」が上りやすいようにしようじゃないか、というものです。選挙制度を変えましょう。
　参院選はもうすぐですから、参院の選挙制度を変えるというのは難しいでしょう。でも、衆院選にはまだ３年ほどあるでしょうから、それまでに選挙制度を変え、小選挙区制という「政治の闇」から抜け出すべきです。

　イギリスの総選挙を契機に、ようやく小選挙区制の問題点や害悪に光が当たるようになりました。これはチャンスです。
　次の参院選で、民主党は過半数を獲得できず、連立の組み替えもあり得るとされています。これも、チャンスになるかもしれません。
　連立を組み替えることが課題になったとき、ぜひ、小選挙区制を廃止するということを最大の条件にしてもらいたいと思います。新しい連立の相手と噂されている某政党は、小選挙区制の廃止をかなり強調するようになってきていますから……。

　では、衆院選の制度をどうしたらよいのでしょうか。さし当たり、「小選挙区制でなければ何でもいい」と言っておきましょう。
　本当は、全国一区の比例代表制が望ましいと思います。でも、一挙にそこまで行くのは難しいでしょうから……。
　かつての中選挙区制に戻すというのも一案です。あるいは、現在の11ブロックをそのままに、小選挙区を廃止してその定数を各ブロックに割り当てる方が簡単かもしれません。

　「２階」に上るためには、小選挙区制を廃止して新しい「階段」＝「ハシゴ」を作ること、その段を力強く踏みしめて上り切ることができるような「上り手」＝日本版「拡大戦線」を生み出すことが必要です。とは言っても、どちらも容易なことではないでしょうが……。
　しかし、政治には、現状を踏み越えていくビジョンが必要です。そして人間は、現実と異なる将来への「夢」がなければ、生きていくことはできません。

2010-05-14 06:17 nice!(1) コメント(8) トラックバック(0)

nice! 1

＞民主党政権は確かに「踊り場」で
＞はあるが、階段を上ってきたから
＞たどり着けた場所なのだ。まだ「２階」
＞ではないからといって、「１階」に
＞下りるような愚を犯してはならない。

民社国政権は自公政権とほとんど同じで評価に値しない、というのが私の感想ですので。
「1階に下りるような愚」と言われようが、政権打倒の方向で臨みます。

＞間違っても自民党の復権に手を
＞貸してはならない

小選挙区制の下でのこういう物言いこそが共産党の障害になっています。
「どうせ死票になるのだから共産党候補に入れるな」
「共産党は候補者を立てるな」
「自公を利する気か」
云々と。
共産党支持者としては「何言ってやがる」ですが。

実際、民主党が自民党と大連立する可能性も十分ありますが、その暁には五十嵐さんは何と言うつもりですかね。

by latter_autumn (2010-05-14 19:04)

先日につづき、力量不足のコメントをいたします。いずれ、日本の選挙制度も変わる日が来るでしょう。ですが現行の選挙制度を評価するとき、一見、ふしぎな問題と接触しているような気もします。
まず、今回の政権交代が、小選挙区制のもとに演出された点。民主の大勝と自民の壊滅は、その演出を無視しては語れません。もちろん自民政権の長期にわたった存続も、それ抜きには語れないのですが。
また一方で、選挙制度の改変は、現行の選挙制度のなかでしか議論できないパラドクス。金持ちが格差是正について議論したり、ギャングたちが治安の不安を口にしたり、ガールズバーから出てきた千鳥足の男たちが性の解放を憂いてみせる……のと同様なパラドクスです。まともな議論は想像できません。
しかし、「参院選を前に、本格的な政治転換に向けての民意の争奪戦が始まった」（五十嵐さん）のご発言には、ある説得力を感じます。個人的には鳩山氏、小沢氏、小沢ガールズ（笑）、亀井氏などに注目していますが、全体としての民主党は寄り合い所帯、っていうか生方氏の小反乱が表すような、ワイワイと煩い長屋の住民たちにすぎず、恵まれてこなかった小ボスたちが、自分の意見を大声で喚き散らすものだから、マスコミは大喜びし、国民は新聞・テレビの前でマユをひそめた――これが民主党「迷走」の大きな一因でしょう。
ですから参院選をつうじ、消費税の増税すら一部で議論している民主党は、国民からデカい頬打ちを喰らって目をまわすと同時に、小党乱立状況のなかで、上記したパラドクスの呪いも解除される可能性はあります。それにしても政治の混乱を望んだようなコメントになって、自分でも驚き！
by わど (2010-05-15 17:57)