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4月4日(月) 『「戦後革新勢力」の奔流』(大月書店)が刊行された [日常]

 先週、研究所と自宅に、『「戦後革新勢力」の奔流―占領後期政治・社会運動史論1948―1950』(大月書店)が送られてきました。出版社の話では、今週の水曜日(6日)ころには書店の店頭に並ぶそうです。

 昨年の11月には、拙著『18歳から考える日本の政治』が法律文化社から刊行されました。お陰様でよく売れているようで、増し刷りされています。
 2月には旬報社から、大原社会問題研究所編で『社会労働大事典』が出ました。こちらの方も事前の予約が2000部ということで、順調に売れているようです。
 今回の『「戦後革新勢力」の奔流』(大月書店)も、これに続いて売れて欲しいと思っています。お目にとまりましたら、手にとってご覧下さい。

 この研究所叢書は、研究プロジェクト「戦後社会運動史研究会」の成果をまとめたものです。同じく、法政大学大原社会問題研究所/五十嵐仁編という形で出した前著『「戦後革新勢力」の源流―占領前期政治・社会運動史論1945―1948』(大月書店、2007年)の続編に当たります。
 この本を刊行した後も、戦後社会運動史研究会としての活動を続けてきました。占領期の政治・社会運動についての事実の発掘と資料批判を中心とした研究会活動の成果が本書だというわけです。
 前に出した本と今回の本によって、占領期における革新的な政治・社会運動はほぼ網羅されたと言って良いでしょう。これまでの研究水準を格段に引き上げる大きな成果になったのではないかと自負しています。

 本書の目次は、以下のようになっています。

はしがき   五十嵐仁
第1章 日本国憲法制定時の「九条」認識   梅田欽治
第2章 日本社会党と講和問題―平和四原則形成過程と歴史的位置づけ   木下真志
第3章 日本共産党第第六回大会の歴史的意義   犬丸義一
第4章 占領期労働運動のヘゲモニーをめぐる攻防   山田敬男
第5章 産別民同から総評へ―労働組合運動における「戦後革新」路線成立史序説   兵頭淳史
第6章 日本農民組合の分裂と社会党・共産党―日農民主化運動と「社共合同運動」    横関至
第7章 占領期の知識人運動―「民主革命」期のリベラリスト   吉田健二
第8章 主婦連合会初期の生活擁護運動   伊藤康子
第9章 占領期における青年運動の広がり   五十嵐仁
第10章 占領後期の学生運動―反レッド・パージ闘争を中心に   手島繁一
第11章 占領期における生協運動の再生―日本協同組合同盟に注目して   山縣宏寿
第12章 「解放」後在日朝鮮人運動と「二重の課題」―在日朝鮮人連盟を中心に   鄭栄桓
第13章 占領後期沖縄社会運動の軌跡―1948~1951年   南雲和夫
第14章 占領後期の統一戦線運動―民主主義擁護同盟の結成と活動   吉田健二
年表

 この本の「はしがき」の最後で、私は次のように書きました。

>以上の経過は、基本的に本書の各章が対象としているものである。これらの記述によって、奔流とも言うべき占領期における政治・社会運動の幅広い展開を、より重層的多面的に理解することが可能となるであろう。
 とりわけ、占領後期においては、国際情勢の急変に対応した占領政策の民主化措置からの反転という、困難で複雑な情勢が生じた。そのような変化に直面しつつ、それでもなお、民主主義と進歩、復興と平和を求めて運動を継続・発展させようとした人々の熱い思いと苦闘の足跡を、本書によって追体験することができるにちがいない。
 前著と共に本書を読むことによって、占領期における「戦後革新勢力」の源流の形成と、奔流ともいうべきその後の展開を知ることができよう。本書が、動態的で多面的な「戦後革新勢力」の姿を照射し、新たな歴史像を描く一助となれば幸いである。

 ということで、昨年1年間にわたって忙殺されてきた書籍の刊行が一段落したことになります。これに『日本労働年鑑』第80集刊行記念事業としてのイヴェント「三池争議と向坂逸郎」が重なっていたのですから、まことに忙しい1年でした。
 今はまだ、『日本労働年鑑』第81集の編集作業に追われていますので、この忙しさが終わったわけではありません。でも、入稿は片付きつつありますので、こちらの方ももうすぐ終わります。
 これで残っているのは、5月に予定されている社会政策学会での報告だけということになります。長期にわたった繁忙期も、ようやく終わりが見えてきました。

 私の人生で最も忙しく、緊張を強いられた日々だったように思います。珍しく、体の調子をおかしくしてしまいましたが、それもあと1ヵ月ほどの辛抱です。


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