SSブログ

4月5日(火) 「原発人災」に引き続く「政治人災」にもご用心 [政局]

 小魚の「コウナゴ」から1キロあたり4080ベクレルの放射性ヨウ素が検出されたそうです。茨城県神栖市の「はさき漁協」に所属する底引き漁船・第五松丸は、神栖市の沖35キロ付近で取ったキンキとボタンエビの受け取りを銚子魚市場から拒否されたといいます。
 野菜だけではなく、魚も放射能に汚染されているのではないかと疑われています。農業だけでなく漁業も、大きな危機に直面し始めました。

 福島第1原発の暴走は、いまだに予断を許さない状況にあります。関係者は懸命に努力しているものと思いますが、我々国民からすれば、「一体、何をやっているのか」と言いたくなります。
 福島第1原発が大きな被害を被ったのは、大地震とそれに伴う大津波によるものでした。その発生を抑えられない以上、これは天災です。
 しかし、その後の原発の暴走と制御不能、大量の放射能漏れは明らかに人災です。事前の防災体制と初期対応のあり方次第では、これほど事態が悪化し、かくも大量の放射能が漏れ出すことはなかったかもしれないのですから……。

 大震災と放射能漏れの恐怖によって、菅政権は当面の対応に追われています。「がんばれ日本」の掛け声と共に、菅首相に対する批判は影を潜めました。
 ひところ言われた「3月危機」は、菅政権の危機だったはずです。しかし、今では大震災と原発事故によって生じた危機に読み替えられてしまいました。
 菅首相にとっては、新しい「危機」によって古い「危機」を乗り越えたということになるでしょう。菅政権の打倒や解散・総選挙などは当面考えられず、2年後の衆参同日選挙まで国政選挙はないという観測も出始めています。

 それに味をしめたわけではないと思いますが、菅さんは新たな政治工作を画策しているようです。震災からの復興を名目とした「大連立」です。
 自民党だけでなく、あわよくば公明党も引き込む目論見のようです。迷った自民党の谷垣総裁はあろうことか中曽根康弘元首相に相談し、中曽根さんは「期限付きなら」と、これに賛成したようです。
 こうして民主党に自公が加わった「大連立政権」が登場し、菅政権の基盤が強化される可能性が出てきました。気がつけば、新たな「大政翼賛」状況のもとで「震災復興のための」消費税が導入されてしまうかもしれません。

 新しい「政治人災」の勃発にご用心。大地震、大津波、原発事故、そして大連立による大政翼賛……。
 日本を破壊し、沈没させるのは、天災だけとは限りません。それ以上に怖いのは、政治による人災=「政治人災」です。
 前触れの揺れを感じているのは、私だけでしょうか。大震災によって身体に染みついてしまった「地震酔い」のせいでなければ良いのですが……。

nice!(1)  トラックバック(2) 

nice! 1

トラックバック 2