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6月7日(火) 消費税増税翼賛のための「大連立」は許されない [政局]

 ようやく、菅首相も覚悟を決めたようです。初めからこうなることは分かっていたと思うのですが、菅首相の往生際の悪さには呆れてしまいます。

 そもそも、今回のような「菅降ろし」は、2ヵ月も前から予想できたことでした。現に、私は4月25日の「統一地方選敗北で強まる菅首相の責任追及」というブログで、次のように書きました。

 大震災対策の不手際や指導力の無さに加えて、統一地方選挙敗北の責任を問われることになるでしょう。連休が明けて、大震災勃発から2ヵ月以上経てば、「菅降ろし」の動きはさらに強まるにちがいありません。
 通常国会の最終盤に向けて、菅首相が進退についての決断を迫られる場面が訪れる可能性があります。民主党内外で菅首相に対する責任追及の声が高まるのは避けられないでしょう。(以上、引用終わり)

 すでに、この時点で「通常国会の最終盤に向けて、菅首相が進退についての決断を迫られる場面が訪れる可能性」は、私ですら予想できたことでした。「民主党内外で菅首相に対する責任追及の声が高まるのは避けられない」ということは、2ヵ月前から分かっていたことだったのです。
 それが分かっていなかったのは、ご本人だけということなのでしょうか。こんな愚か者は見たことないと言いたいところですが、残念ながら、これまで何度も目にしてきました。
 安倍、福田、麻生、鳩山と続くこれまでの短命政権の最終盤には、いずれも「降ろし」の風が吹き荒れたものです。そしていずれもこの風に耐えきれず、自ら退陣を表明して政権の座を去っていきました。

 菅首相は、これら先輩の姿を見ていなかったのでしょうか。前例から学ぼうとする賢さを持ち合わせていなかったのでしょうか。
 せめて最後くらい潔さを見せようと考えるのが普通でしょう。いつまでも居座ることに、なんのメリットもありません。
 特に、不信任案否決の翌日に居座るかのような硬直した発言を行ったことが決定的でした。その時のブログに、「菅首相が居座りを策しているような愚かな発言を行ったため、かえって退陣の時期は早まったのではないでしょうか」と書きましたが、やはり退陣の時期は早まりそうです。

 ということで、早々と「ポスト菅」の政権構想についての議論がなされています。そこで、急浮上してきたのが「大連立」構想でした。
 「大震災と原発事故への対応のため」と言われていますが、それは違います。個別の政策課題の実現のためであれば、連立を組む必要はないからです。
 現に、連立を組まなくても、来週にも復興基本法は成立しようとしています。「ねじれ国会」であっても、個々の法案に野党が賛成すれば、成立させることは可能なのです。

 それなら、どうして「大連立」を組もうとするのでしょうか。その理由は民主党と自民党とでは異なっています。
 民主党は、自民党を政権に引きずり込むことによって、「ねじれ国会」の制約を取り払ってしまおうと考えています。自民党は、民主党政権に参加することによって、解散・総選挙を早めて政権復帰への手がかりを得ようと狙っています。
 一方の民主党は政権基盤を強めようとし、他方の自民党は政権交代への道筋をつけようというわけです。同じ「大連立」とは言っても、一皮めくれば「同床異夢」というわけです。

 しかし、全てが「異夢」というわけではありません。「同じ夢」を見ている部分もあります。
 それは、この機会に、消費税の増税に道を開こうとしていることです。もし、「大連立」が成立すれば、即座に消費税の増税構想が浮上することになるでしょう。
 そのような消費税増税翼賛のための「大連立」を許してはなりません。それは大震災からの復興を名目としてなされるでしょうが、結局は被災者を含めた国民の負担を増大させ、大震災からの復興を遅らせるにちがいないからです。

 菅さんがグズグズしているのは、当初からの悲願であった消費税増税に道をつけたいからでしょう。それを条件にした「大連立」を夢見ているのかもしれません。
 しかし、それは自らの存在によって遅延させてきた大震災対策に、新たな障害を持ち出すことになるでしょう。菅さんの「夢」は、国民にとっては「悪夢」となるにちがいないのですから……。
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