SSブログ

11月8日(火) 韓国から古い友人の尹辰浩仁荷大学校経商大学学長がやってきた [日常]

 昨日、韓国から古い友人である尹辰浩(ユン・ジンホ)さんが研究所を訪問されました。「朋あり遠方より来る、また楽しからずや」というわけです。

 尹先生は韓国の仁川にある仁荷(インナ)大学校と法政大学との学術交流を強めたいということで、国際交流の担当者と共に来日されました。いただいた名刺には、仁荷大学校の経商大学学長とあります。
 学長とは、驚きました。しかし、カレッジの学長ですから、日本で言えば学部長に当たります。
 それでも、しばらくお会いしないうちに、「出世」されたものです。もっとも、私も大原社会問題研究所の所長をやっていますから、向こうもそう思っているかもしれませんが……。

 尹さんとは、15年以上も前に知り合いました。正確に言えば、初めてお会いしたのは、1995年1月のことになります。
 その前年である94年2月に、当時の所長だった二村一夫先生が仁荷大学の金大煥先生と知り合ったのをきっかけに法政大学大原社会問題研究所と仁荷大学産業経済研究所との間で研究交流について合意し、日韓の労使関係研究についての研究プロジェクトを立ち上げました。その最初のシンポジウムが95年1月24~25日に法政大学多摩キャンパスの100周年記念館で開かれ、金大煥、丁栄泰、金基元などの先生と共に、尹辰浩さんも「韓国における日本的生産方式の導入と労働者」について報告されています。
 その後、金大煥先生は盧武鉉政権で労働部長官(労働大臣)になられましたが、労働大臣として来日した機会にお忍びで大原社会問題研究所を訪問され、講演していただくということもありました。大臣を辞められてからは、仁荷大学校に戻られているそうです。

 この時の報告や共同研究の成果が元になって刊行されたのが、大原社会問題研究所研究所叢書の『韓国労資関係の展開と現状』(総合労働研究所、1997年)です。共同研究プロジェクトの成果としては、もう一冊『現代の韓国労資関係』(御茶の水書房、1998年)があります。
 この時のシンポジウムを皮切りに、95年8月に仁荷大学校、96年5月に法政大学、同年10月に仁荷大学校と、合計4回のシンポジウムと日韓両国での調査活動が取り組まれました。その全てに、私も参加しています。
 ということで、私の韓国とのつながりも訪韓することになったのも、全てこの研究プロジェクトのお陰です。95年8月28~29日に仁荷大学校で開かれたシンポジウムで報告するために、前日に日本を発ちましたから、私の韓国初訪問は95年8月27日ということになります。

 以来、昨年秋のソウル大学訪問まで、5回ほど韓国を訪れています。お陰でソウル市内の地理についてはかなり詳しくなりました。
 韓国の政治や労働問題についても、それなりに関心を持ってきました。そのせいか、これまで、韓国のテレビ局から2度ほど取材されるということもありました。
 地方では、大田、扶余、天安市の独立記念館や水原市の韓国民俗村に行きましたが、釜山や慶州、木甫、光州などには行っていません。機会があったら、これらの都市にも、是非、訪れたいと思っています。

 ということで、昨晩は尹先生一行と近くの居酒屋で一杯やり、旧交を温めました。尹先生はこのブログの熱心な読者だそうで、故郷に開通する予定の新幹線の駅名について「謙信」にして欲しいと書いたことまでご存知でした。
 尹先生は産業経済研究所の所長も兼ねておられるということですので、再び、大原社会問題研究所と産業経済研究所との交流が始まるかもしれません。古くからの友情がこのような形で実を結ぶのは、大変、喜ばしいことです。

nice!(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

トラックバック 0