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12月19日(月) 3度目の「リフォーム(改革)詐欺」にまたもや騙されるのか [消費税]

 少し古い話になって恐縮ですが、一昔前に「リフォーム詐欺」というものがありました。「奥さん、ここ少しガタが来ていますね。安くしておきますから、リフォームしたらどうですか」と、言葉巧みにもちかけて必要でもない工事を行って大金をだまし取るという犯罪です。
 詐欺の一種ですが、「リフォーム」という言葉に騙されてしまうようです。少しでも良くなるなら、お金をかけても良いかと思ってしまうのでしょう。

 このような「リフォーム(改革)」を掲げて言葉巧みに国民を騙し、必要でもない施策を実行することで権力とお金をかすめ取るということは、政治の世界にもあるようです。しかも、一度ならず、二度、三度と。
 「改革」を掲げて国民を騙した最初の詐欺は、「政治改革」でした。これによって選挙制度を変え、二大政党制を実現して保守政治の安泰が図られましたが、政治は劣化し機能不全に陥りました。
 二度目の詐欺は「構造改革」です。これによって規制緩和が進められ、大企業の利益が図られましたが、貧困化と格差の拡大が進行し日本社会は「ぶっ壊れ」ました。

 そして、今また、三度目の詐欺が画策されています。「一体改革」という名の「リフォーム(改革)詐欺」です。
 社会保障と税のあり方を一体として見直し、改革するという触れ込みで消費税の税率を引き上げることが狙われています。「国民の皆さん、社会保障はガタが来ていますよ。多少税金が上がっても、一緒にリフォームしなければもちませんよ」というわけです。
 これも政治的な詐欺の一種ですが、「改革」という言葉に騙されてしまうようです。社会保障サービスが少しでも良くなるなら、消費税が上がっても良いかと思ってしまうのでしょう。

 しかし、社会保障改革として提案されているメニューは年金額の削減や介護保険利用者の負担増など、サービスの向上や給付の増大ではなく切り下げや利用者負担の増大です。「改革」として実行されようとしている施策が国民のためにならないという点では、前の2回と同様です。
 しかも、消費税率が3%から5%に引き上げられた97年の場合、9兆円の負担増が景気を悪化させ、所得税と法人税収入の激減によって翌98年の国税収入は全体として4兆円も減少してしまいました。税収増のための消費増税が結果として税収減を招いたというわけで、日本の税収はこれ以降、一度も97年を上回っていません(三橋貴明『増税のウソ』36~37頁)。
 穴が空いているといって屋根の修理をしてもらったら、さらに穴が大きくなってしまったリフォーム詐欺そのものではありませんか。深刻なデフレの下で、消費増税など12.5兆円の負担増になるという試算もある現状では、屋根の穴はさらに大きなものになるでしょう。

 国民は、前2回と同様に、またもや「リフォーム(改革)詐欺」に騙されてしまうのでしょうか。「2度あることは3度ある」ということになるのか、それとも「3度目の正直」ということで、今回こそは目を覚ますのか。
 ぜひ、後者であって欲しいと願っているのですが、果たして……。


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