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5月31日(木) 消費増税「政界三国志」の新局面が始まった? [政局]

 「消費増税は待ったなしだ。協力してもらいたい」
  「大増税の前にやることがある。賛成と言うわけにはいかない」

 野田さんはこう言って協力を求め、小沢さんはこう言って反対する考えを示しました。野田首相と民主党の小沢元代表との会談は、このように「平行線」を辿り「物別れ」に終わりました。
 まあ、予想通りの展開で、両者共に「想定の範囲内」の結末だったのではないでしょうか。両者の会談は形だけのセレモニーに終わりましたが、消費増税をめぐる「政界三国志」は新たな局面に入ったのかもしれません。
 というより、野田首相にとっては、新たな展開を開始するための一種の手続きだったと言うべきかもしれません。自民党に擦り寄る「免罪符」を手に入れるための……。

 一方の野田さんにしてみれば、「党内融和」に努めているとの姿勢を示して、輿石幹事長をはじめ小沢さんに近いグループの離反をできるだけ抑えたいと思っていたでしょう。他方の小沢さんにしてみれば、「話し合い」は拒否していないことを示して「小沢切り」の口実を与えないようにする狙いがあったと思われます。
 結局、両者、それぞれの思惑を秘めたセレモニーに終わったのはこのためです。しかし、明日からは6月で会期末は21日ですから、野田さんに残されている時間はそう多くありません。
 小沢さんからすれば、採決を先延ばしして9月の代表選で勝負をかけるつもりですから、まだ余裕があります。決裂を避けながら、時間稼ぎしたいところでしょう。

 ということで、「平行線」「物別れ」によって、事実上、追い込まれたのは野田さんの方です。新しいアクションに出る必要が生じました。
 一つには、野党との連携であり、早速、自民党との修正協議を指示したそうです。「丸のみ」路線に向けての行動開始と見て良いでしょう。
 もう一つは、このような協議のネックになっている問責2閣僚の交代に向けての動きです。近々、小規模の内閣改造によって、この「小骨」を抜くことになるでしょう。

 ここでカギを握るのが輿石幹事長と世論の動向です。輿石さんは、どこまで野田首相の意を汲んで汗をかくでしょうか。
 輿石幹事長は小沢さんに近いとされていますし、問責2閣僚を推薦したのも輿石さんでした。自民党や野党の対応次第では、輿石さんが政局展開を阻む「置き石」になってしまうかもしれません。

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