SSブログ

8月24日(金) 久米郁男『日本型労使関係の成功』(有斐閣、1998年)への批判を再掲する必要が生じた [日常]

 先日、川出良枝・谷口将紀編『政治学』(東京大学出版会)という本を送っていただきました。「謹呈 著者一同」とあります。

 執筆者の中には、飯尾潤政策研究大学院大学教授、上神貴住高知大学准教授など、旧知の方もおられます。ありがとうございました。
 この本をペラペラとめくっていたら、「参考文献」の第7章のところに、久米郁男さんの『日本型労使関係の成功』(有斐閣、1998年)という本が出ていました。まだ、このような「トンデモ本」が「参考」になると見られているのか、と驚いてしまいました。
 というのは、久米郁男早稲田大学教授は私の「論敵」の一人で、その主張の誤りについては、これまで何度も指摘してきたからです。

 しかし、このような政治学のテキストに、「参考文献」の一冊として掲げられているわけですから、私のこれまでの作業は不十分だったと言わざるを得ないでしょう。大いに、反省させられた次第です。
 そのために、どうして久米さんの主張が問題なのか、これまでの私の批判を再掲することによって明らかにする必要が生じました。このような本によって誤った理解が広まるのを防がなければならないからです。
 もっとも、ここで「参考文献」とされている久米さんの主著が「日本型労使関係の成功」という表題であるところに、その主張の誤りが端的に示されているとも言えるでしょう。今どき、「日本型労使関係」が「成功」したなどと考えている人は、久米さんなど研究者の一部を除いて、労使ともにほとんどいないでしょうから……。

 なお、久米さんのこの著書に対する批判は、以前の私のホームページで10回にわたって連載されました。しかし、残念ながら、これが入っていた大原社会問題研究所の古いサーバが交換されてしまい、現在では読めなくなっています。
 そうなる前に保存しておかなかったのは大きな失敗でした。反省していますが、今さらとりかえすことができません。
 ただし、幸いなことに、その短縮版を活字でも発表してありました。今回は、こちらの方をご覧いただこうと思います。


 ということで、この連載を元にした論攷を再掲させていただくことにします。それでは、明日のアップをお楽しみに……。

nice!(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

トラックバック 0