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9月12日(水) 民主党の代表選、自民党の総裁選、橋下「維新」新党の結成はどれも古い政治の枠組みの中での争いにすぎない [政局]

 9月1~8日の中国旅行の間、完全な情報遮断の状態にありました。当然ながら、政治の動きについても、全くの白紙状態でした。
 帰国して久々に見る日本の政治ですが、以前にも増して荒涼たる風景が広がっているように見えます。政治の変革を求める民衆の願いと、権力闘争にうつつを抜かす永田町政治との分断と乖離は、ますます拡大しているとしか思われません。

 9月8日まで延長された通常国会は、私が帰国した日に静かに幕を閉じました。中国旅行中も国会の空転が続いていたからです。
 その結果、マスコミ報道の焦点は、民主党の代表選挙、自民党の総裁選挙、そして橋下徹大阪市長の「維新の会」による新党結成と国政進出にしぼられることになりました。相も変わらぬ政局報道のオン・パレードです。
 そして、このいずれにおいても、オスプレイ配備に反対する沖縄の県民大会や脱原発、消費増税やTPP参加反対という民衆運動の願いを政治の場で 具体化する可能性はほとんどありません。不毛な選択を問う政治ショーにすぎないというほかないでしょう。

 民主党の代表選挙は一昨日公示されましたが、始まった途端に終わってしまったようなものです。野田首相に対抗して3人が立候補したものの、その ために野田批判票は分散してしまったからです。
 以前、私が予想したように、細野原発事故相を担ぐという動きもあったようです。民主党議員としては、泥船から脱出するための「救命ボート」として少しでも見栄えのする人にすがりたかったのでしょう。
 しかし、代表になって使い捨てにされてはたまらないと考えた細野さんは不出馬を表明し、この構想は費えました。野田さん自身に、自らの失政の責任を取ってもらいたいと考えたのかもしれません。

 他方の自民党の総裁選挙の方では、予想外の展開がありました。再選を目指していた谷垣現総裁が、突如として不出馬を表明したからです。
 この報に接して、河野洋平さんのことを思い出しました。同じように、自民党総裁でありながら首相になれず、再選への出馬を辞退しました。
 「近いうち」に総選挙を実施するという口約束で野田首相に騙され、うまく利用されてしまったという点が決定的でしょう。しかも、野田首相はプー チン大統領と12月訪ロの約束をして今年中に総選挙を実施する気がないことを示唆したため、進退に窮してしまったのではないでしょうか。

 このような2大政党の混迷の間隙を突く形で注目を集めているのが、橋下「維新」新党です。ただそれが、大阪以外の国民全体にどれだけ浸透しているのかは未知数です。
 綱領とされている「維新八策」は、新党にはふさわしくないような古くさい政策や目新しさはあっても荒唐無稽な政策の羅列です。こんなもので、国民をだませるとでも考えているのでしょうか。
 注目度が増して情報量が増えれば、一方では知名度が増すものの、他方では本当の姿が良く見えるようにもなります。今は、虚像や幻想がピークであるように思われますが、それはこれからも続くのでしょうか。

 民衆の願いに沿った政策転換に向けての動きは政権与党の内部からは生ぜず、与党になるかもしれない野党第1党では誰が総裁になっても政策転換は期待できず、注目度の高い「維新」新党も政策転換を領導できない。政治を担う主体をめぐる争いが、所詮は3党合意などの古い政治の枠組みの中でのものでしかないところに、日本政治の不毛性が象徴されているように思われます。

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