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10月26日(金) 石原新党「立ち上がれ」と言われて立って立ち枯れるかも? [政党]

 昨日、東京都の石原慎太郎知事は午後3時から緊急記者会見を開き、都知事を辞任して新党を結成し、国政への復帰をめざすことを明らかにしました。以前から出ては消えていた「石原新党」の噂ですが、ようやく具体的な形を取り始めたというわけです。

 まずは、めでたい。これで東京都政も少しはマシになり、オリンピック招致などという無駄もなくなる可能性が出てきたわけですから、都民の1人として石原さんの都知事辞任を歓迎したいと思います。
 これで、国政復帰などという色気を出さず、誰かさんのように伊豆の山にでも籠もって静かに茶碗でも焼いてくれれば、さらに大歓迎なのですが。もう80歳なのですから、「最後のご奉公」などと言わず、悠々自適の引退生活に入ったらどうなのでしょうか。
 でも、傲岸不遜と「生臭さ」が背広を着て歩いているような石原さんです。新党結成や国政復帰などということで、この先まだまだ沢山の人に迷惑をかけるんでしょうネー。

 そもそも、石原知事は昨年の都知事選の直前まで引退を考えていたと言われています。それを翻して突然の出馬表明となり、「後出しジャンケン」で当選しました。
 今回、都知事としての任期を半分以上も残して投げ出すことになったわけです。それなら、昨年の知事選挙に立候補すべきではなかったでしょう。
 都知事としての職を中途半端で投げ出すのは無責任であり、それを国政に向けての踏み台にするというのも身勝手です。この点については、都民の1人として怒りを覚えます。

 そもそも、石原知事は都知事としてどれほどの実績を残したのでしょうか。一枚看板であったオリンピック招致に失敗し、日の丸・君が代を強制して教員を処分するなど、東京の教育を混乱させました。
 特別養護老人ホームへの補助の打ち切り、老人医療の有料化、シルバーパスの削減、医療や福祉の民営化、人員削減などが進められました。こうして生み出された資金は巨大プロジェクトや新銀行東京のために浪費され、汚染した豊洲への市場移転も推進されたのです。
 このような教育、福祉、文化の破壊と巨大プロジェクトの推進が、石原都政の実態です。それを国政レベルでも実行しようというのが、今回の国政進出の意味にほかなりません。

 都知事辞任を発表した会見で、石原都知事は現行憲法の廃棄と新憲法の制定、硬直した官僚制のシャッフルを主張していました。しかし、このような大まかな方向性だけで、具体的な政策は示されていません。
 それは、これからの「第三極」形成のために連携や連合を模索する日本維新の会やみんなの党への配慮があったからでしょう。これらの党と石原新党とは、憲法問題、原発政策や消費増税、TPPへの参加などで政策的に必ずしも一致していないからです。
 とはいえ、理念や政治的スタンスの点で、石原新党も極右であることは明瞭です。みんな右に寄ってきているのが現在の日本の政党状況であり、同じ極右である安倍自民党が橋下「維新」新党の支持者を奪い、石原新党がこの安倍自民党の基盤を脅かすということになる可能性があります。

 石原都知事は、平沼さんや亀井さんに早く立てとせっつかれ、息子の伸晃が自民党総裁選で落選したために遠慮する必要がなくなり、総選挙の可能性が強まってきたこともあって、ようやく新党結成に踏み切ったものと思われます。しかし、「たちあがれ日本」をはじめ、新党に参加するメンバーを見ると皆さん70歳前後から80歳のご老人ばかりです。
 そのエネルギーとバイタリティーには感心しますが、政策を含めて「新」と言うにはあまりにも古くさい。古色蒼然たるお年寄りによる「新党」が、どれだけ有権者に受け入れられるでしょうか。

 必ずしも一致していない政策を曖昧にしての「野合」ということになれば、もう一つの「選挙互助会」の誕生を意味するにすぎません。「たちあがれ」と平沼さんたちに尻を叩かれて結成される石原新党ですが、「あ」が抜けて「たちがれ」になってしまう可能性も少なくないと言うべきでしょう。

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