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4月27日(土) 極右の地金を出して孤立化への道を歩み始めた安倍首相 [首相]

 相手に殴りかかって、抗議されたら、「どんな脅かしにも屈しない」と胸を張っているようなものです。やはり、安倍首相は先の戦争を侵略戦争とは認めておらず、中国や韓国に対する植民地支配を反省していないということになるでしょう。

 日本は悪いことをしたわけではない思っているのが、安倍首相の「歴史認識」です。それはアメリカ政府にとっても認めることのできないものです。
 明日に予定されている「主権回復の日」の式典も、アメリカにとっては面白くないでしょう。「従米」を前面に出してアメリカにおもねている安倍首相ですが、腹の中では「反米」思想を抱いていることを示しているわけですから。
 最近になって、以下のように安倍首相の「元気の良い」言動が目立ってきています。内閣支持率の高さに自信を持ってきたのかもしれません。

「愛国心、郷土愛と書いた改正教育基本法の精神が生かされていない」(10日衆院予算委)
「村山談話を安倍内閣としてそのまま継承しているわけではない」(22日参院予算委)
「侵略という定義は定まっていない。国と国の関係でどちらから見るかでも違う」(23日参院予算委)
「(憲法は)真の独立を取り戻すために作り直す必要がある」「参院選で堂々と96条改正を掲げて戦うべきだ」(23日参院予算委)
「国のために命を落とした英霊に尊崇の念を表するのは当たり前。わが閣僚はどんな脅かしにも屈しない」「歴史や誇りを削っていけば外交がうまくいくという考え方は間違いだ」(24日参院予算委)

 極右の地金を出しても、もう大丈夫だと考えるようになったのでしょうか。それとも、言いたいことを我慢し続けることに嫌気がさしてしまったのでしょうか。
 先の総選挙で安倍さんを支持し、宰相の地位にまで押し上げてくれた力の一つが「極右」の支持層でした。参院選が近づいてきましたので、これらの層へのリップサービスを始めたのかもしれません。
 しかし、それは国際的には孤立化への道を歩み始めたということを意味しています。靖国参拝と一連の安倍首相の発言に対して中国や韓国は反発し、日本は極東における不安定要因になってしまいました。

 4月26日付の「産経ニュース」http://sankei.jp.msn.com/world/news/130426/amr13042610220003-n1.htm
は、「米政権、首相発言に懸念 中韓にらみ自制促す」として、アメリカの懸念について次のように伝えています。

 歴史認識をめぐる安倍晋三首相の発言や閣僚の靖国神社参拝に対し、オバマ米政権が東アジア情勢の不安定化を招きかねないとして日本政府へ外交ルートで非公式に懸念を伝えていたことが分かった。日米外交筋が25日、明らかにした。
 国務省のベントレル報道部長は「公式な抗議」はしていないとした上で「中国や韓国のように他国も懸念を表明している。各国間の強く建設的な関係が地域の平和と安定をもたらすことを今後も訴えていく」と述べ、安倍政権に中韓を刺激しないよう自制を促した。
 同筋によると、国務省当局者が24日までに在米日本大使館を通じ、歴史問題に絡む安倍政権の一連の動きが周辺国との関係にもたらす悪影響について懸念を伝えた。「侵略」の定義や靖国参拝をめぐる安倍首相の発言に加え、麻生太郎副総理兼財務相ら閣僚が靖国を参拝したことなどを念頭に置いたとみられる。(共同)

 ミサイル発射の脅しなど北朝鮮の挑発的な動きに対して結束して対応すべき時だというのに、一体、安倍政権は何をやっているのか、と言いたくなります。アメリカのケリー国務長官は中国や韓国、日本を回って対応を協議し、韓国は日本への外相派遣を取りやめて中国との協議を行っているのに。
 しかし、日本は韓国とも外相会談を行えず、中国には閣僚さえ派遣できません。3国の首脳会談などは、当面、望むべくもありません。
 日本だけが、蚊帳の外に置かれているという形になっています。アメリカ政府から懸念を表明され、『ニューヨークタイムズ』からも批判され、日本は完全に孤立してしまいました。

 こうして、安倍政権は外交的な手詰まり状態に陥っています。それをもたらした最大の要因は、「あの戦争は悪くなかった。日本は悪いことをしていない」とする安倍首相自身の「歴史認識」にあります。
 歴史に対して誠実でなく、過去の誤りを直視できないような政治家が一国のリーダーとしていかに相応しくないか。このことを安倍首相が身を以て示しているように見えるのは、私だけでしょうか。

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