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5月2日(木) 今度は『朝日はなぜおかしくなったのか』という本を出さなければならないのかも [マスコミ]

 新聞の広告欄で、「安倍晋三と朝日新聞の『不適切な蜜月』」という見出しが目に入りました。『週刊ポスト』2013年5月17日号に掲載されている記事です。

 この記事は、「安倍政権に一番吠えていたはずの朝日新聞が声を失い、いつの間にか『権力者の飼い犬』に変わってしまったかのようだ。クオリティペーパーを標榜する大新聞社の”変節”は、人気絶頂の政権への”降伏”を意味するか」として、その「変節」ぶりを詳しく紹介し、厳しく批判しています。
 2006年に第1次安倍政権が誕生したとき、『朝日新聞』は安倍批判の急先鋒として鋭く批判していました。ところが、今回の第2次安倍政権では、社説で「首相の持論である『戦後レジームからの脱却』をひとまず封印し、最大の懸案だった経済再生に集中的に取り組んできた姿勢は評価できる」と書くなど、批判的な姿勢は姿を消しています。
 しかも、記事が次のように書いているように、朝日新聞の幹部は、他の新聞社などと同様に安倍首相と会食しています。しかも、朝日新聞側の費用負担で……。

 「2013年2月7日、朝日の木村社長は帝国ホテルの中華レストランで安倍首相と会食、曽我豪・政治部長もその後1回、総理と会食している。同社広報室は、『社長をはじめ幹部の会談内容は公表していない。木村社長が安倍氏に会食費用を負担していただいたことは一切ない』と会食の費用は朝日が負担したという回答だった。いつから、この新聞社は社長や政治部長が総理大臣を接待するようになったのか。」

 この記事を読んで、「やっぱり」と思いました。この間の『朝日新聞』には大きな違和感を感じていたからです。
 すでに、4月10日付のブログ「裁判官の独立などは『絵に描いた餅』だった」で、私は次のように書きました。

 驚いたのは、8日の『朝日新聞』です。各紙が一斉にこの記事を報じていたのに、朝刊でも夕刊でも全く触れられていなかったからです。
 昨日の朝刊で、ようやく「上告見通し 米へ伝達」「砂川事件で最高裁長官」という記事が報じられましたが、38面の連載漫画の横です。事実を淡々と伝えるもので、識者の批判的なコメントも最後に付けたしのような形になっています。
 もし、朝日の「特落ち」だったとすれば取材力の衰退を示すものですし、そうでなかったとすれば意図的な政治的配慮が働いたものと考えざるを得ません。
 以前から、「朝日はおかしくなっている」という声が私の周囲から聞こえていましたが、今回も『朝日新聞』の変質をうかがわせるような報道姿勢だと言って良いでしょう。「商売」上、私も仕方なく『朝日新聞』を取っていますが、その必要がなくなったら、とっとと購読をやめるつもりです。

 対照的に、この問題を重視して報じていたのが『東京新聞』です。8日付朝刊では1面と社会面で大きく扱っていました。
 翌9日付でも、1面下のコラム「筆洗」で取り上げ、田中長官に対して「司法の独立を説く資格のないこの人物は、退官後に本紙に寄稿している。『独立を保障されている裁判所や裁判官は、政府や国会や与野党に気兼ねをする理由は全然ない』。厚顔とはこんな人のことを言う」と、厳しく批判しています。
 これに対して、この日の『朝日新聞』の「天声人語」は、何と書いていたでしょうか。「社会に出てからというもの、朝ご飯を食べる習慣を失った。せわしいということもあるが、特に食べたいとも思わない。そんな無精者の関心をおおいに引く記事が、きのうの本紙朝刊に載っていた」というのが、その書き出しです。

 両者の、何という違い。『朝日新聞』はボケボケだと言うしかありません。昔は、そうではなかったように思います。
 今の『東京新聞』は、かつての『朝日新聞』でした。今の『朝日新聞』は、かつての『読売新聞』になってしまったようです。
 このまま変質し続けるのであれば、以前の姿と違っていることをはっきり示すために、名前を変えた方が良いのではないでしょうか。『朝日新聞』から『夕日新聞』に……。

 『週刊ポスト』の記事も、「読者は朝日の”変節”をしっかり見抜いている」と書いています。私も、そのような「変節」を見抜いた「読者」の一人ということになるでしょうか。
 そして、記事は最後に、こう付け加えています。「いまや社長から一線記者までも政治との距離の置き方も批判精神も忘れてしまったことが、朝日新聞の一番の危機ではないか」と……。
 その通りです。そして、やはり「変節」した『朝日新聞』は、『夕日新聞』に名前を変えるべきでしょう。

 先に、私は3人の方と共に、テレビによる報道のあり方を批判し、ジャーナリズムとしての再生を願って『テレビはなぜおかしくなったのか』という本を出しました。今度は、『朝日新聞』による報道のあり方を批判し、ジャーナリズムとしての再生を願って『朝日はなぜおかしくなったのか』という本を出さなければならないかもしれません。

 なお、今日から6日まで、ふる里の新潟に帰省します。この間、ブログはお休みさせていただきます。
 明日5月3日、9条を守る長岡の会主催の第8回憲法9条を守る長岡の集いで「政治の右傾化と改憲の危機」について講演します。会場は長岡市立中央図書館講堂で、時間は午後1時半から(講演そのものは午後2時半から1時間)です。
 お近くの方に、足を運んでいただければ幸いです。新潟の皆さん、お世話になりますが、よろしく。

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