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6月19日(水) 上手くいっていない実情を隠蔽しようと躍起になっている安倍首相 [首相]

 「何もかも上手くいっていることを国民に示したい」ということなのでしょうか。実際には孤立化し窮地にあるのに、その実情を覆い隠そうと安倍首相は躍起になっているようです。

 イギリスのベルファストではG8サミットが開かれています。その機会を利用して日米首脳会談が開かれるのがこれまでの通例でしたが、今回は「米側の日程上の都合で見送られた」とされています。
 もともと、アメリカで言えば共和党内の極右勢力「ティー・パーティー」のような立場にある安倍首相と、民主党内のリベラル派で社会活動の経験もあるオバマ大統領とは話が合いません。首相就任後の日米首脳会談も2ヵ月後まで待たされ、しかも食事を挟んでたったの1時間半ですから、2日間にわたって8時間も会談した米中首脳会談とは大違いでした。
 このような実情を、安倍首相は隠したかったのでしょう。自らの交流サイト「フェイスブック」に、オバマ米大統領とサミットの会場で一緒に歩く写真を掲載し、「サミットに向けてもろもろ話しました。(ゴルフ談議も含めてですが。)」と書き込んで緊密さをアピールしています。でも、その程度のことしかできなかったということが、かえって明らかになってしまいました。

  「フェイスブック」と言えば、安倍首相が元外務審議官の田中均さんを名指しで非難したことが問題になっています。村山談話をそのまま踏襲しないとしたかつての安倍首相発言に懸念を示した田中さんに首相が反論したからです。
 しかし、田中さんの批判は首相の歴史認識についてのものであり、首相の反論は日本に帰国した拉致被害者の扱いをめぐるものでした。両者に何の関係があるというのでしょうか。
 自民党の中からも、小泉進次郎青年局長が「個人の名前を挙げて反論、批判をすべきではない」と苦言を呈しています。田中さんの批判を生み出し、アジア安保会議で小野寺防衛相が「右傾化ではない」と弁解しなければならないような状況を作ったのは首相自身ではありませんか。

 また、自民党の高市早苗政調会長が東京電力福島第1原発事故で死者は出ていないとして原発再稼働に意欲を示した発言も問題になっています。みんなの党の江田憲司幹事長は「政調会長と政治家を即刻辞めるべきだ」と批判しました。
 公明党の山口那津男代表も会見で「今なお故郷に帰れない方々が大勢いる中、被災者に共感を持たなければならない。被災者の苦労や苦痛をいかに解消するかに全力を挙げなければならない」と苦言を呈しています。与党内からも批判が生じたわけで、高市さんの責任は免れないでしょう。
 先日も、復興庁で福島県の被災者支援を担当する水野靖久参事官が、ツイッター上で「左翼のクソども」などと市民団体などを中傷する書き込みを繰り返していたことが明るみに出ました。大震災や原発の被災者に対して責任ある政治家や官僚がどう考えているのか、その本音を示すような出来事が相次いだというわけです。

 実際には、「何もかも上手くいっていない」状況が生まれつつあるということでしょう。サミットでは「アベノミクス」に対して一定の評価があったようですが、すでに「異次元金融緩和」の効果は消えてしまい、長期金利は上がり、株価も「嵐の中の船」のように乱高下しながら下がってきているのですから……。


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