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8月5日(月) 参院選結果が示すもの―安倍政権と民意とのねじれ 拡大は必至 [論攷]

〔下記の論攷は、『全国革新懇ニュース』2013年7・8月合併号、第351号、に掲載されたものです。〕

選挙制度の問題と民主党への怒り

 投票率52%で、自民党の比例代表の得票率は34.7%、選挙区でも42.7%です。有権者の4分の1以下にしか支持されていないのに、過半数を超える65議席(改選総数121)で圧勝しました。その要因は、投票率の低さと一人区が多い選挙制度にあります。
 もう一つは、有権者の期待を裏切った民主党への怒りがまだおさまらず、一人区で民主党が全敗し、複数区でも大敗したことです。これが自民党を助ける形になりました。
 また、自民党はタカ派的な政策を隠して「アベノミクス」などの経済問題を前面に出すという狡猾な戦術をとりました。生活が深刻化しているため、実感はなくても幻の「アベノミクス」に期待せざるを得なかったということでしょう。
 それでも、自民党など改憲勢力は改憲発議ができる3分の2を越える議席をとれませんでした。これは今度の参院選での重要な成果です。

暮らしの問題はアキレス腱

 暮らしの問題は安倍政権のアキレス腱の一つです。
 8月には生活保護費、10月には年金が引き下げられます。春闘も終わり、賃上げはほとんどありません。円安による物価高に加えて来年4月からは消費税増税が予定され、国民生活はますます苦しくなります。
 安倍政権の経済政策が実体経済や国民生活の改善に結びつかないことがはっきりしてくれば、政権批判の波が生ずる可能性は大きいと思います。

すでに矛盾は激化している

 すでに憲法96条改定や原発再稼働などには反対が多数でした。今後、このような民意と政権とのねじれは拡大せざるをえません。
 そのうえ、集団的自衛権の行使容認や軍拡など時代錯誤なタカ派的政策で暴走すれば、周辺諸国との関係は悪化します。アメリカもそれを警戒しており、日本の孤立は深まるでしょう。
 今回、革新懇運動の「エンジン」役である日本共産党は、政策面で最も徹底した政権批判の「受け皿」となり、ぶれずに一貫している政治姿勢も評価され、8議席に躍進しました。
 二極構造が強まるなかで、革新懇はさらに幅を広げ、安倍政権の暴走にストップをかけてもらいたいと思います。
【聞き手 佐藤博】

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