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12月19日(木) 猪瀬都知事辞任によって訪れた都政転換のチャンスを生かさなければならない [スキャンダル]

 とうとう、猪瀬直樹東京都知事が辞任を発表しました。これ以上、都政の混乱と停滞を続けるわけにはいかないと、後見人役の石原慎太郎前都知事が引導を渡したようです。
 その背景には、東京オリンピックに向けての準備作業の遅れがあります。オリンピック招致を実現した猪瀬さんですが、そのために辞任を先延ばしできなくなったというわけで、何とも皮肉な結果になりました。

 とはいえ、辞任表明は遅きに失したと言うべきでしょう。最初から、猪瀬さんの受け取った5000万円のお金の意味ははっきりしていたからです。
 都議会での激しい追及にもかかわらず、猪瀬さんがこのお金についてきちんと説明できなかったのは、もともと説明できない性格のお金だったからです。これについて、私は11月23日付のブログ「5000万円もの選挙用の裏金を受け取った猪瀬都知事は政治責任を免れない」で次のように書きました。
 ただし、猪瀬知事と徳田虎雄前理事長の面会を仲介したのは、石原前都知事ではなく新右翼「一水会」の木村三浩代表で、資金の提供を持ちかけたのも木村さんだったようです。

 唄の文句じゃありませんが、「やっぱりね、そうだろね」と言いたくなります。猪瀬直樹東京都知事の選挙用の裏金5000万円の受領が明らかになりました。
 ……
 本当は、冒頭に書いたように、「選挙用の裏金」だったにちがいありません。突然の石原前知事の辞任で後継者に指名された猪瀬副知事は、選挙対策について石原前知事に相談したものと思われます。
 前知事から徳田前理事長を紹介された猪瀬さんはあいさつに出向き、その席で選挙資金の提供を申し入れたのでしょう。これに応じて徳田氏側は5000万円を用意し、議員会館の事務所で渡すよう毅議員に指示したにちがいありません。
 これを受け取った猪瀬さんは、表に出せないお金だったので妻だけに伝え、妻名義の貸金庫に保管して必要な額を使ったのでしょう。その後、徳洲会グループへの強制捜査に驚いた猪瀬さんは裏金の発覚を恐れ、慌ててお金をかき集めて返済し、政治資金収支報告書も修正したというのが、ことの顛末だったと思われます。

 その後、次々と新たな事実が明らかになりました。猪瀬さんに対する疑惑はますます深まっていきます。
 発言は二転三転し、その曖昧さが際立ちました。このようななかで、猪瀬都知事は次第に追いつめられていきます。
 12月2日付のブログ「猪瀬都知事辞任で、また宇都宮さんの出番が回ってくるかもしれない」で、私は次のように書きました。

 都議会が始まりました。これが、猪瀬都知事にとっては最後の都議会になるだろうという見方がもっぱらです。
 所信表明演説や記者会見は、相変わらずの居直りやしどろもどろの説明に終始しています。徳洲会グループから受け取った5000万円はもともと説明できない「裏金」なのですから、しろろもどろになってしまうのも当然でしょう。
 お金の授受については、何も証拠が残っていませんでした。証拠が残らないようにして受け取った「裏金」ですから、それも当然です。
 大体、5000万円もの大金を受け取ったのが現金だった、というところからすでにアウトです。表に出せない金銭の授受では、証拠が残る銀行振り込みを使わないのが「常套手段」だからです。
 受け取ったお金を銀行に預金せず貸し金庫に入れておいたのも、証拠を残さないためです。「生活のため」に受け取ったお金であれば、銀行に預けて少しでも利子を稼ごうとするのが常識でしょう。
 ……
 いずれにしても、表に出せない「裏金」を、いかがわしい方法で受け取っていたことに対する政治責任は免れません。名前がイノセでも、イノセント(無罪)というわけにはいかないでしょう。
 ということで、辞任に追い込まれる可能性は濃厚です。すでに、自民党は1月19日(日)を想定して都知事選の候補者選びに入ったという噂もあります。
 先の都知事選で猪瀬さんに対抗した宇都宮健児さんの出番がやってきそうです。そろそろ、そのための準備を始める必要があるかもしれませんよ。

 結局、ここに書いたように猪瀬さんは辞任に追い込まれ、都知事選挙が実施されることになりました。投票日は1月19日より先に延びて、2月2日か9日になりそうだといいます。
 やはり、「宇都宮健児さんの出番がやってきそうです」。ただし、この都知事選に宇都宮さんが立候補するかどうか、いまのところ分かりませんが。

 猪瀬さんは都知事を辞任することで政治責任を取りました。しかし、今後、東京地検特捜部による捜査が本格的に始まれば、刑事責任を問われることになる可能性が高いように思われます。
 その場合、収賄罪と政治資金規正法や公職選挙法違反になる可能性があります。5000万円は、東電病院の入札に便宜を図ってもらう目的で、選挙用の資金として献金された疑いが濃厚だからです。
 収賄罪が成立するためには、①請託があったか、②資金の受け渡しがあったか、③受け取った側に職務権限があるか、という3条件が必要です。徳田さんとの会見で東電病院の話が出たことが明らかになり、現金で5000万円を受領し、副知事時代に東電病院の売却を厳しく迫ったのは猪瀬さんでしたし、都知事になればさらに権限は大きなものになります。いずれの条件も満たされていると言って良いでしょう。

 そのうえ、選挙用の資金だったということになれば、政治資金報告書に記載されていなかったわけですから、不実記載あるいは虚偽報告として罰せられることになります。政治資金規正法や公職選挙法違反で有罪になる可能性は大きいように思われます。
 猪瀬辞任で一件落着というわけにはいきません。真相の解明と刑事責任の追及が、これからの課題ということになります。
 また、この猪瀬都知事の辞任によって、石原・猪瀬と続いた都民無視の都政を転換する絶好の機会が訪れました。このチャンスを生かして革新都政を奪還することは、それ以上に大きな課題だと言うべきでしょう。

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