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2月5日(水) 『週刊朝日』に籾井NHK会長の発言に対するコメントが出た [マスコミ]

 先週の金曜日に『週刊朝日』の記者からの取材を受けました。その内容が昨日発売の『週刊朝日』2月14日号の30~31頁に掲載されています。
 記者会見での籾井さんの発言について、その間違いを指摘するという記事です。問題の発言と私の指摘は次のようなものです。

 「従軍慰安婦」の「戦争地域には、どこでもあったと思っています。僕は。」「従軍慰安婦は韓国だけあって、他の国になかったという証拠はありますか? あったはずなんですよ。従軍慰安婦をいいと言っている訳ではないですよ。だけど、どう思われますか? 日本だけやっていると言われて。
 ドイツにありませんでしたか? フランスにはありませんでしたか? ヨーロッパはどこでもあった。なぜオランダには今も飾り窓があるんですか? 戦争しているところにはだいたいつきものだったんですよ」発言には、法政大学の五十嵐仁教授(政治学)がバッサリ。

 「『どこにでもあった』と言うが、一般的な性売買と混同している。慰安婦のような制度は日本とナチス・ドイツだけだった。『みんなやってるから、僕は悪くない』というのはあまりに子供っぽい言い訳だ」
 オランダの飾り窓発言については、
「飾り窓は国に認められた公娼制度です。慰安婦とは根本的に違います」(五十嵐氏)

 そして、「韓国は日本だけが強制連行をしたみたいなことを言うから話はややこしい。だからお金をよこせ、補償しろと言っているわけですよ。日韓基本条約ですべて解決しているんですよ。それをなぜ蒸し返すんですか」については、こんな見解を示す。
 「『日韓基本条約で解決した』は間違いです。条約は1965年に締結された。戦時賠償などを取り決めましたが、韓国で元慰安婦が最初に名乗りを上げて損害賠償を求めたのは1991年でした」(同)
 慰安婦問題は対象になっていなかったという。

 ここまでが、私の指摘です。いかに籾井さんが歴史的事実についての知識を持っていないかが、お分かりいただけると思います。
 慰安婦は軍主導の戦時「性奴隷」として強制されていたもので、逃げ出す自由はありませんでした。自らの意志による一般の性売買とは根本的に違っていることが全く理解されていません。
 これまでもNHKは軍事性奴隷としての慰安婦についての番組を沢山放映してきました。籾井さんは、これらの番組を見てもっと勉強すべきだったでしょう。

 ところで、『東京新聞』2月2日付「週刊誌を読む」の記事「暴かれたトンデモぶり」には、いかに籾井さんがトンデモない人であるかが紹介されていました。『週刊新潮』2月6日号が「籾井会長の銀座での話を暴露」しているのだそうです。
 この記事を読むにつけても、「こんな人がどうしてNHKの会長なんかに」という思いが募るばかりです。銀座のクラブ&バーで泥酔して暴れた事件や三井物産の社長になれないと分かった時、「会社でデスクをひっくり返して暴れたという武勇伝」についてはこれを読んでいただくとして、この人は長くはないナーと思わせるに充分な記事でした。

 この籾井さんの記者会見での慰安婦発言を弁護したのが、突然辞任し出直し選挙を発表して顰蹙を買っている橋下大阪市長です。橋下さんは「籾井さんが言っている事はまさに正論」「僕が言い続けてきたことと全く一緒です」と理解を示していました。
 この籾井さんを会長に選んだ一人が経営委員の百田尚樹さんですが、百田さんは2月3日、都知事選に立候補した田母神候補の応援演説に立ち、南京大虐殺を否定する持論を展開したうえで、「宣戦布告なしに戦争したと日本は責められますが、20世紀においての戦争で、宣戦布告があってなされた戦争はほとんどない」と、「みんなやってるから、僕は悪くない」と言わんばかりの「子供っぽい言い訳」をしています。
 この百田さんをNHKの経営委員として送り込んだのが安倍さんでした。そして、「私の国家観や歴史認識は安倍首相と同じだ」「戦後レジュームからの脱却を目指すもので全く違和感はない」「集団的自衛権も素晴らしいことだ」と言っているのが、田母神さんなのです。

 つまり、籾井、橋下、百田、安倍、田母神らの人々は、全て同類項で「同じ穴のムジナ」にほかなりません。いわば「安倍一族」のお仲間だということになります。
 国際社会から総すかんを食らっている魑魅魍魎が、このような形で日の当たる場所に出てきたということほど今日の日本社会の異常さを示すものはありません。このような時代錯誤の「安倍一族」を一掃し、国際社会における日本の名誉と信頼を取り戻すことこそ、真の愛国者にとっての急務であると言うべきでしょう。
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