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2月26日(水) ネオ・ナチ化する醜い日本と日本人 [社会]

 『アンネの日記』関連の書籍だけではありませんでした。被害を受けた本はアウシュビッツ強制収容所に収容された女の子について書かれた『ハンナのかばん』や、第2次世界大戦中、多くのユダヤ人にビザを発行して命を救った日本の外交官、杉原千畝の伝記など、少なくとも80種類に上るといいます。
 このような破損行為は、ユダヤ人を敵視し、彼らに対する迫害を肯定しているように見えます。日本社会にネオ・ナチのような価値観が浸透し、ユダヤ人に対する迫害を支持する日本人が行動を起こしたということなのでしょうか。

 もしそうだとすれば、何という醜い国になってしまったのでしょうか。この日本は……。
 気にくわないからといって、片っ端から本を引き裂いて破損するような行為は、ナチスによる焚書の現代版にほかなりません。麻生副総理が勧めたように、「ナチスの手口を学んだ」やり方だと言うべきでしょうか。
 朝鮮の人々に向けられていたヘイト・スピーチやヘイト・デモの鉾先が、ユダヤの人々に向けられたということなのかもしれません。特定の民族に対する憎しみと排除という点で、両者には大きな共通点があるように思われます。

 私はかつて地球を一周する旅の途中、オランダのアムステルダムで「アンネの家」に立ち寄りました。その隠れ家の秘密の部屋も見たことがあります。
 そのとき、「このような所で、人目を盗んで生活することを強いられるなんて」と、強い憤りを覚えたものです。そのアンネの苦労や哀しみへの想像力を持たず、迫害されたユダヤの人々の苦難や怒りをあざ笑うような蛮行が繰り返されていたことになります。
 とても1人の気まぐれによる所業とは思えません。「はだしのゲン」に対する攻撃や排斥と同様の組織的な悪意を感じてしまいます。

 誰が、どのような意図で行ったのかは不明ですが、このような愚行は二度と繰り返されてはなりません。それが今日、このような形で生じ、その背景となる社会的雰囲気が生み出されたのも、安倍首相の右翼的で拝外主義的な言説の影響であると考えるのは私だけでしょうか。

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