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5月16日(金) 自作自演で憲法破壊へと突っ走る安倍首相 [集団的自衛権]

 昨日、首相の私的諮問機関である「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)が報告書を提出しました。これを受けて安倍首相は記者会見を行い、憲法の解釈を変更し、これまで「行使できない」とされてきた集団的自衛権の行使を認める方向での検討を始める意向を表明しています。

 安保法制懇は私的な懇談会という安倍首相が勝手に人選した「お仲間」ばかりで、法的な根拠を持たない「自作懇談会」です。そこが出してきた報告書は安倍首相の思いを文章化したものにすぎません。
 このような政策転換の必要性は、「安全保障環境の激変」を理由になされています。しかし、そのような「激変」を生み出した要因の一つは、安倍首相自身の靖国神社参拝や歴史認識の問題です。
 自分で安全保障環境を悪化させ、それを理由に「お仲間」をかき集めて憲法解釈を勝手に変更するというのが、今回のやり方です。このような、自作自演の憲法破壊は決して許されるものではありません。

 このような憲法の根幹にかかわる変更は、きちんと国会で論議した上で最終的な判断を国民にゆだねるべきでしょう。そのために、憲法には96条という改正条項があります。
 安倍首相は当初、この96条を先ず「改正」して発議要件を3分の2から2分の1に変更することでハードルを下げようとしました。9条改正を正面から掲げて賛否を問うという形で「正門」から入るのは難しいから、入りやすい「裏門」を作って入ろうとしたわけです。
 しかし、それも時間がかかり世論の反対も大きく難しいと判断して、今度は門そのものをぶっ壊して入ろうとしているわけです。このように、時の政権の判断で恣意的な変更が行われれば、憲法によって権力者を制限する立憲主義は大きく揺らぎ、日本は法治国家ではなくなってしまいます。

 もし、「時代の変化に合わないから解釈を変更する」ということになれば、今後も同様のやり方が許されることになります。政権が交代し、安倍首相とは正反対の首相が登場すれば、同様のやり方で憲法の解釈を変更することも可能になるでしょう。
 「憲法9条を素直に読めば、国の交戦権を認めず、戦争を放棄し、戦力を持たないことになっている。時代も変化したから、自衛隊は解散し、防衛省は防災省にする」と言い出すかもしれません。安倍首相は、それでも良いと考えているのでしょうか。
 現行憲法の理念や精神を尊重するのであれば、防衛省を防災省にする方向転換が可能になるような国際環境をめざし、周辺諸国との関係改善に努めるべきです。周辺諸国との関係を悪化させ、国民に危機感を抱かせる最大の要因となっている安倍首相の退場こそ、「安全保障環境の激変」を緩和し、日本の安全を確保する最も効果的な措置にほかなりません。

 憲法改正を回避し、解釈によって根幹を変更してしまうようなご都合主義は断じて認められません。憲法という縄できつく縛られている泥棒が自作自演で勝手に緩めてしまおうなんて、「盗人猛々しいにも程がある」と言うべきでしょう。


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