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7月16日(水) その危険性や負の側面を正直に示したうえで、それでも集団的自衛権の行使を可能にするのかを問うべきだ [集団的自衛権]

 1週間のご無沙汰でした、と言いたいところですが、1週間以上のご無沙汰になってしまいました。この間、忙しくてブログを書く時間がとれなかったからです。
 7月5日(土)に中野区革新懇での講演と翌6日(日)に東京地評のセミナーでの講演があり、拙著『18歳から考える日本の政治』(法律文化社)の第2版刊行に向けて再校ゲラを読み直して手を入れるという作業が終わったと思ったら、書評を頼まれていた赤堀正成著『戦後民主主義と労働運動』(御茶の水書房)を研究会で取り上げるというので大急ぎで読了し、同時に、7月13日(日)の見附市9条の会での講演の準備と7月24日(木)全商連第27回全国事務局員交流会・西日本会場での講演のレジュメを作成し、見附市での講演のついでに昨日まで新潟に帰っていました。というわけで、このブログにまで手が回らなかったのです。
 その間にも、「戦争できる国」づくりに向けての動きは着々と進行していました。書きたいこと、書くべきことは沢山あったのですが、思うに任せない毎日が続いたというわけです。

 特に、14日の衆院予算委員会と15日の参院予算委員会での安倍首相の発言は許しがたいものでした。私は、衆院での質疑を新潟の実家で見ましたが、一国の首相が国会で嘘を言い続けたり、真実を隠したりする姿は見るに堪えませんでした。
 集団的自衛権を行使するということは日本が戦争に加わるということであり、自衛隊員が戦闘に巻き込まれて命を失う可能性が高まるということにほかなりません。そうするためにこそ、「他国」が攻撃された場合の反撃、自衛隊の出動要件の緩和、戦地での支援活動の拡大、戦闘中の機雷封鎖解除などが可能とされたわけですから……。
 そうなれば、日本国民が戦争に巻き込まれ、自衛隊員のリスクが高まることは火を見るよりも明らかです。しかし、これについて質問されても、首相は全く答えようとしませんでした。

 安倍首相にとって、これはもっとも答えにくい質問だったということなのでしょう。ここに、安倍首相の弱点があります。
 もっと端的に、集団的自衛権を行使することによって国民が戦争に巻き込まれてもやむを得ないと考えているのか、自衛隊員のリスクが高まって血を流したり命を失ったりすることがあってもしょうがないと思っているのか、と聞いてもらいたかったと思います。
 軍事同盟は「血の同盟」だという安倍首相ですから、国民や自衛隊員が血を流すことがあって初めて日米同盟は本物になると考えているに違いありません。しかし、それをはっきりと言えば、世論の大きな反発を受けることは必至です。首相はそれを恐れているのでしょう。

 集団的自衛権を行使すれば、これまで以上に日本が国際紛争に巻き込まれることは明らかです。自衛隊員にとってのリスクが高まるのも当然でしょう。
 そのような危険性や負の側面を正直に示したうえで、それでも集団的自衛権の行使を可能にするのか否かを国民に問うべきだったのです。そのような覚悟も勇気もなしに、なし崩し的に戦争への道を掃き清めるような無責任は断じて許されません。

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