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10月30日(金) 安倍政権を窮地に追い込むことになった右傾化と金権化 [スキャンダル]

 かねてから、自民党には2つの持病がありました。右傾化と金権化です。
 安倍政権も、この持病からは免れなかったようです。周辺諸国との外交的行き詰まりをもたらした右傾化に続いて、「政治とカネ」の問題が安倍政権を窮地に追い込みつつあります。

 政治資金の使い道についての疑惑の責任を取って、小渕優子経産相と松島みどり法相の2人が辞任しました。このダブル辞任によって、にわかに「政治とカネ」の問題が政局の焦点として浮上しています。
 小渕さんの収支報告書を作成したとされる群馬県中之条町の折田謙一郎前町長は東京地検特捜部から任意で事情聴取されました。今後、刑事事件に発展する可能性があり、小渕さんは議員辞職の検討に入ったと伝えられています。
 「うちわ」を配った松島前法相の辞職は本人の決断であるというより、安倍首相の意向を受けた菅官房長官からの圧力によるものであったようです。ダブル辞任で一挙に決着をつけ、問題が長引くのを避けたいという思惑があったからでしょう。

 しかし、この官邸側の思惑通りにはいかなかったようです。その後も、次々と疑惑閣僚の名前が報じられています。
 閣僚では、次のような人々の名前が挙がっています。辞任した2人を含めれば8人にもなるわけですから、驚いてしまいます。

塩崎厚労相 厚労省関連の業界団体などから献金、地元老人ホームへの秘書による口利き
西川農水相 実刑判決の安愚楽牧場から献金、親族企業からの物品購入
望月環境相 賀詞交歓会での支出が別の会合への支出と判明
江渡防衛相 資金管理団体から江渡本人へ寄付、政党支部からも本人に寄付
宮沢経産相 SMバーへの交際費支出、外国人企業からの献金、東電株所有
有村女性活躍担当相 脱税で罰金判決を受けた企業から脱税発覚前に寄付

 これらの疑惑閣僚は、「秘書が」と言ったり「妻が」と言ったりして、自らの関与を認めようとしていません。これまでもおなじみの言い逃れの手法ですが、そのようなことは許されません。
 また、疑惑の事実を認めても、「訂正したから」「返金したから」ということで、責任を回避しようとしています。ばれなければそのままで運悪くばれたから是正措置をとるということであれば、政治資金規正法など意味をなさなくなります。
 このような問題が生ずる背景には、政党助成金がもらえるだけでなく企業からの献金も禁止されず、政治資金がだぶつくような形になっているという事情があります。使い切った形にするために、おかしな領収書までかき集めてしまったということなのでしょう。

 この「政治とカネ」の問題は民主党にまで飛び火しました。枝野幹事長の関連政治団体による新年会の会費収入の記入漏れが発覚したからです。
 安倍晋三首相は自民党本部で萩生田光一総裁特別補佐らと意見交換し、この問題を念頭に「撃ち方やめ、になればいい」と言ったそうです。「どっちもどっち」ということで、有耶無耶になって欲しいというわけです。
 でも、これらの疑惑閣僚を任命したのは安倍首相本人です。自らの責任を棚に上げて、「撃ち方やめ」というのは誠に身勝手な言い分だというほかありません。

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