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12月6日(土) 総選挙で自民党を勝たせてはならないこれだけの理由 [解散・総選挙]

 総選挙が公示され、激しい選挙戦が戦われています。それにもかかわらず、選挙への国民の関心は今一つで、選挙戦は盛り上がりに欠けるかのような報道がなされています。

 「こんな時期に総選挙か。それも、何故やるのかよく分からんものを」というのが、国民の率直な思いかもしれません。寝込みを襲うような突然の総選挙に、国民は茫然自失となっているというところでしょうか。
 加えて、争点はアベノミクスだけであるかのような操作がなされ、他の重要な争点が隠されているという問題もあります。小選挙区制という選挙制度の問題もあり、選挙に対する投票対効果の関係が分かりにくいということもあるでしょう。
 いずれも、投票率が低くなれば有利だと思い込んでいる自民党や公明党の思う壺です。自民党が300議席をうかがい、公明党と合わせて改憲発議可能な3分の2議席を超えるかもしれないというのが、総選挙序盤の情勢だというのですから……。

 しかし、有権者にはそろそろ目を覚ましてもらい、きちんとした覚悟をもって投票所に足を運んでいただかなければなりません。今回の総選挙には、自民党を勝たせてはならない理由が山のようにあるからです。
 もちろん、消費税やアベノミクスの問題も重要です。しかし、それ以外にも日本の進路と国民生活にかかわる重要課題が山積している点に、今回の選挙の重要性があります。
 この選挙後に狙われているのは、一言でいって安倍極右政権による「暴走政治」の全面的発動です。それを阻止できるかどうかが、この選挙で問われているのです。

 第1に、「アホノミス」による増税とインフレによる国民生活の破壊という問題があります。「アホノミス」というのは、もちろんアベノミクスの別名です。
 もし自民党が勝てば、間違いなく消費税は2016年4月に10%へと引き上げられ、消費不況はさらに深刻化します。増税延期で経済が回復するとは限らず、すでに8%になって苦境に立たされている業者などは、さらに2%の引き上げで壊滅するかもしれません。
 アベノミクスの継続にゴーサインが出て本格化すれば、円安とインフレが悪循環して止められなくなるスタグフレーションに陥り、貧困化と格差の拡大によって景気はさらに悪化するでしょう。その結果、「3つ児の赤字」(財政赤字、貿易赤字、家計の赤字)が増えて経済は破綻に瀕することになります。

 加えて、TPP(環太平洋経済連携協定)の交渉で日本政府はアメリカの要求に屈服することになるでしょう。この協定が締結されれば、輸入農産物の関税撤廃などによって、農業と食糧、金融や保険、医療などや中小業者の営業などが危機にさらされます。
 川内原発は再稼働され、原発の輸出なども進み、高濃度放射性廃棄物(核のゴミ)が蓄積されていきます。年金・社会保障サービスの切り下げ、利用者の負担増も進行することになります。
 教育への政治介入がさらに強まり、愛国心教育、道徳教育などによって子供の歴史認識が歪み、周辺諸国との関係は悪化し、国際的な孤立化が深まることになります。マスコミへの支配や統制もいっそう強まり、秘密保護法の施行などで国民の知る権利が侵害されます。

 第2に、規制緩和による労働法制の改悪という問題です。これだけとっても、地方の創生と女性の活躍推進がまやかしであることは明白でしょう。
 雇用政策の重点は安定から流動化へと変化し、すでに雇用調整雇に対する助成金は急減し、人材ビジネスへの財政支援が強化されています。労働者派遣法が改悪され「生涯ハケン」や派遣労働の恒久化、低賃金、労働力の質の低下が進むことになります。
 「残業代ゼロ」法案や裁量労働制の拡大で労働時間規制が解除され、過労死や過労自殺が増大するでしょう。これらの施策が国家戦略特区で先行実施され、「法の下の平等」原則の破壊、国際労働基準の無視が進むでしょう。

 また、ブラック企業とサービス残業が蔓延し非合法的な働き方が合法化されていきます。これらの違法状態を取り締まることはこれまで以上に困難になるでしょう。
 「限定正社員」による雇用の劣化と非正規化も進みます。実質賃金の低下や不十分な収入、労働条件の悪化によって国内市場は狭隘化し、子育てがますます困難になって少子化が深刻化するにちがいありません。
 このようにして、労働の劣化と貧困化がさらに進行します。これまで自民党政治によって深刻化してきた地方の衰退や女性が活躍できない社会が、依然として継続することになるでしょう。

 第3に、安倍首相の言う「積極的平和主義」による平和の危機という問題があります。武力による安全保障への拘泥は、かえって安全を損なうことになってしまうというパラドクスを孕んでいるからです。
 来年の通常国会で予定されている集団的自衛権の行使容認のための関連法などの改定が行われ、日本は海外で「戦争できる国」となります。アメリカの軍事介入の手伝いをさせられる危険性も高まります。
 自衛隊が海外に派兵され、アフガニスタンで後方支援活動に従事していたドイツ軍に55人の死者が出たように、戦地で戦闘に巻き込まれて犠牲者が出るリスクが高まります。それだけでなく、日本と日本人はアメリカの一味とみなされテロの標的とされ、イギリスのロンドンやスペインのマドリードのように、多くの犠牲者を出したテロ事件なども起きるかもしれません。

 また、自衛隊員が死傷するリスクが高まれば、自衛隊への志願者が減って定員を充足できない状態が生まれるでしょう。そうすれば、やがては徴兵制が検討され、兵役が国民の義務とされるかもしれません。
 さらに、沖縄での新基地建設反対という県民の意思は無視されるでしょう。沖縄・辺野古での新基地建設が強行され、美しい海を守り、基地経済に依存しない発展の道は閉ざされることになります。
 非軍事的外交路線が大転換され、周辺諸国の警戒心を高めて軍拡の口実を与えることになるでしょう。そして、憲法9条の空洞化と安倍改憲路線の是認によって、明文改憲に向けての扉が開かれることになります。

 以上を見ても、今回の総選挙で自民党が勝利してはならない理由がお分かりになると思います。選挙でどこに投票しても良いのですが、自民党とその候補者にだけは入れないということが、選挙後の日本社会に対する唯一の責任ある態度だと言わなければなりません。

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