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6月21日(火) 「外からの視点」によって明確にされた安倍辞任の必要性 [首相]

 いよいよ明日、参院選が公示されます。この選挙は日本の命運をかけた極めて重要な政治決戦です。
 その結果、与党を敗北させて安倍首相に責任を取らせ、辞任に追い込むことができるかどうかが、最大の焦点になります。その必要性をはっきりと示しているのが、今日の『朝日新聞』に掲載された2人の外国人識者の発言です。

 「アベノミクス考 外からの視点」という表題の下に、2人の方が登場しています。そのうちの1人、元WSJコラムニストのジェームズ・シムズさんは「いま、第3の矢は行方不明です」と指摘しながら、次のように述べています。
 「やはり安倍政権にとって、経済は、憲法改正や安全保障、戦後レジームからの脱却といったことを実現させるための道具でしかないのでしょう。しかし、日本経済の真の立て直しは、正面から取り組まなければとてもできない極めて大きな課題です。国外の投資家は、構造改革に向けた安倍政権の本気度をいま見極めています。」

 経済は「道具」で、本当に実現させたいことは「憲法改正や安全保障、戦後レジームからの脱却といったこと」なのだという指摘です。まさに、その通りでしょう。
 安倍首相は「日本経済の真の立て直し」に「正面から取り組」むつもりなど、最初からなかったのです。アベノミクスは新「富国強兵」のための「道具」であり、経済の立て直しは軍事大国化のために必要だという位置づけにすぎなかったのですから。
 したがって、いくら「安倍政権の本気度」を「見極め」ようとしても、それはとうてい無理なのです。安倍さんの目的は今も変わらず、一貫して「憲法改正や安全保障、戦後レジームからの脱却といったこと」に置かれているのですから。

 もう一人の著名な「国外の投資家」として知られるジム・ロジャーズさんの意見はどうでしょうか。彼の主張はもっと明確です。
 記事の見出しは「お札の増刷『異常』 このままでは破綻 改革進め門戸開け」というものでした。ここで、ロジャースさんは次のように指摘しています。
 アベノミクスについて「正直、がっかりしています」と答え、「安倍首相は、経済を再興させ、海外と競える環境を作り出すと公言していたのに、結局、何もやらなかったと思います。やったことは増税、そして税金で道路や橋を造り続け、お札をじゃぶじゃぶ刷り続けたことくらいでした」と述べ、「この間も日本が抱える問題は大きくなっています。人口が減って高齢化が進む一方で、国の借金は将来の世代で返せないほど積み上がっています。安倍首相は日本を破綻に追い込んでいると、私は思います」と語っています。

 また、マイナス金利については、「マイナス金利政策で経済を良くすることはできないと断言できます。それは日本だけでなく、他国でも同じことです。国の借金が増え続け、自国通貨も下落して物価が上がる。おまけにマイナス金利で財布の中身まで寂しくなって、日本はどうやって生き残るつもりですか」というのが、彼の意見です。
 「日本は投資先としてもう魅力はないのでしょうか」という問いには、「良い兆候が見つかるまでは手を出さないつもりです」と答え、「良い兆候とは?」との質問に、「たとえば、安倍首相が辞任するか、彼自身が変わるかです。危機は変化する好機でもあります。本当の危機に直面して、日本が良い方向に変化していくことができるかを私は見ています」と続けています。
 変わらなければならないというわけです。「良い方向に変化していくことができるか」が、「本当の危機に直面」している日本の課題なのです。

 しかし、アベノミクスのエンジンをさらに吹かすと言っている安倍首相が、この先「変わる」可能性はありません。「安倍首相が辞任するか、彼自身が変わるかです」といってみても、後者の可能性は全くありません。
 とすれば、「安倍首相が辞任する」しかないということになります。安倍さんに変わる新しいリーダーに日本の政治をゆだねることでしか、「良い方向に変化」する可能性は生まれてこないのです。
 ロジャースさんも「日本に必要なのは変化です」と言い、「私が10歳の日本人なら、両親を説得して日本を逃げ出すでしょう。なぜなら、新しいリーダーが出てこない限り、40歳になった時の日本経済は悪夢だと思うからです」と指摘しています。安倍首相「自身が変わる」可能性について、実はロジャースさんも全く想定していないからです。

 ロジャースさんとは異なって、日本で生まれ育ち、これからもこの国で生きていかなければならない人々にとって、日本を逃げ出すという選択肢はありません。となれば、「安倍首相が辞任する」以外に、悪夢を避ける道はないということになります。
 「40歳になった時の日本経済は悪夢だと思う」のであれば、唯一の選択肢である安倍辞任に向けて力を尽くすしかないのです。それこそが残されたたった一つの希望であり、その最大のチャンスが間もなくやってこようとしています。


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