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3月16日(水) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』3月16日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「ウクライナ当局の情報氾濫 偏っている日本の戦争報道をどう見るか」

■過去の戦争でも米政府発表に騙された

 ロシアへの経済制裁については、その効果を疑問視する金融関係者も少なくない。

 金融機関同士を結ぶネットワークである「SWIFT」からロシアの銀行7行が締め出された。だが、中国が独自に構築した同様のシステム「CIPS」があるため、ロシアがそれを使う可能性があるのだ。

「SWIFT」から切り離されれば、ロシア経済は致命的、という報道が散々なされたが、それは“大本営発表”みたいなものだったのではないのか。

 70年前の戦争時、この国には民主主義もなく自由な言論も許されていなかった。軍による統制下で治安維持法もあり、大本営に都合のいい偏向報道がまかり通った。しかし、いまは違う。言論統制などないはずなのに、いったん戦争が起き、いずれかの陣営に組み込まれれば、報道は70年前に逆戻りだ。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)は言う。

 「だからこそ、戦争報道に触れる際には情緒的なものにのみ込まれず、理性的に判断する力が必要なのです。この間、米政府の発表に騙された戦争報道がたくさんあった。ベトナム戦争しかり、イラク戦争しかりです。いまは米国が間違っていたことが明らかになっています」

 戦争報道はプロパガンダであるということを、改めて覚えておきたい。


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