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7月8日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』7月8日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「岸田首相の全国行脚もギャグだ マンガになってきたマイナカードに国民大笑い」

 なぜ、岸田政権はそこまでしてマイナカードをゴリ押しするのか。

 一つはメンツだろう。一度やると決め、ここまで事業を進めてきた手前、今さら後に引けないのだろう。

 とくに「突破力」を売りにしている河野大臣は、ここで撤退したら、無能の烙印を押され、“ポスト岸田”レースから脱落することになる。

 もちろん、岸田政権も無傷では済まない。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

 「岸田政権の態度は、『勝てない』と分かっていながら、開戦してしまったため、ズルズルと戦争を続けた戦中の日本と同じです。成功しないと分かっていながら、誰も『やめよう』と決断できないのは、日本社会に染みついた『失敗体質』を表している。このまま突っ込んだら、混乱は広がる一方でしょう」

 メンツに加えて、岸田政権が前のめりなのは、「マイナ利権」がガッチリ出来上がっていることもあるに違いない。なにしろ、マイナンバーの事業規模は約1兆円といわれている。トラブル続きのシステムを納入している富士通の子会社を筆頭に、多くの企業が事業に群がっている。

 マイナカードは定期的に更新され、そのたびに医療機関は1台50万円は下らない新しい読み取り機を導入することになる。全国に医療機関は約18万もある。この先、継続的に巨額の費用が必要になるのは必至で、巨大利権になるのは間違いない。

 もちろん、潤った企業から自民党議員に、献金やパーティー券といった形でキックバックされるのは政界の常識である。

 「メンツや利権など、国民のためというより、自分たちのためのマイナカードになっているのが実態なのではないか。ある意味、自民党らしいやり方と言えるでしょう。利権の温床である原発推進や、政権浮揚が目的だった東京五輪の強行、神宮外苑再開発による樹木伐採も、多くの国民の反対を押し切り、メンツと利権を優先させている。それだけに、マイナカードも国民の不安がどれだけ大きくても、強引に進めるつもりでしょう」(五十嵐仁氏=前出)


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