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7月11日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』7月11日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「「安倍の遺志に報いる」政治なんてまっぴら 国民が求めているのは決別だ」

 「安倍元首相の魂は、まだこの世にとどまっている」──。安倍と近かった高市経済安保相は、一周忌を前にした4日の会見でそう語っていた。ある意味、「死せる安倍が生ける岸田を走らす」という今の政治状況を言い当てており、一笑に付すわけにもいかない。

 自民党最大派閥として100人を擁する安倍派の次期会長も決まらないままだ。下村博文会長代理は「勢力を維持するために『安倍』の名を残している」と語っていた。凶弾に倒れてから1年が過ぎてもなお、安倍の「幻影」が支配する政治状況は、どう考えても健全ではない。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言った。

 「亡くなった安倍氏を美化し、故人の遺志だとして問答無用で対米追従の軍拡路線を正当化。改憲まで一気呵成に突っ走ろうとする今の岸田自民党の暴走は極めて危険です。首相自身が率いる岸田派が党内第4派閥に過ぎず、最大派閥の安倍派の力を借りて故人を権威付けに利用しているのでしょうが、『アベ路線』の正当性を吟味せず、故人を神格化するような動きは危うい。戦後日本の平和国家像をゆがめ、軍拡路線をひた走り、1強支配で忖度政治をはびこらせたのが、安倍政権の8年8カ月です。その検証すらロクに行わず、故人の遺志を金科玉条のごとく扱うのは、とても健全な民主主義国とは言えません」

 いくら国民が「アベ政治」との決別を求めても、岸田にその気構えは皆無だ。

 これ以上、「安倍の遺志に報いる」政治なんてまっぴらゴメンだというマトモな有権者は、その意思をしっかりと顕在化させていくしかない。

 「まず改めて世論調査で安倍路線継続にノーを突きつけること。さらには地方選を含め、あらゆる選挙で議会を動かし、地方から中央に攻め上るような形で安倍路線に抵抗していくことが重要になってきます」(五十嵐仁氏=前出)

 いい加減、今なお安倍カラーに染まる政治状況を変えなければいけない。


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