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1月7日(日) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』1月7日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:国民をバカにしているのか “党刷新”を麻生、菅に頼る岸田首相の茶番劇

 岸田が4日の会見で、「本来は若手育成や政策論議の場だった派閥が、カネやポストを求める場になったという国民の疑念がある。深刻に受け止める」と語ったが、まさに派閥を「カネやポストを求める場」にしてきたひとりが麻生なのではないのか。

〈自民幹部は「麻生さんに相談して、これまで良いことがあったのだろうか」とクビをひねる〉と昨年12月の朝日新聞が書いていた。それでも麻生頼みとは岸田もあまりにおめでたい。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

 「麻生さんこそが派閥の親分ですよ。党刷新と言っても、泥棒が泥棒を捕まえるための縄を綯っているようなものです。刷新本部に若手を入れるという話もありますが、子分が強い縄を綯うわけがない。30年前の政治改革で掲げた党幹部や閣僚の派閥離脱は形骸化し、政治資金集めは法の抜け穴だらけで、今回、大きな問題になった。岸田首相が今やろうとしているのは、党の衆知を集めたさらなる抜け穴づくり。どうしたら国民を欺くことができるか、ということです。自民党が自己刷新の能力を失っていることがはっきりしました」

 菅にしても、無派閥とはいえ、安倍元首相のブン投げ辞任後に首相になれたのは、総主流派体制を敷いた5派閥に担がれた結果だった。麻生との上下関係はクッキリだし、派閥離脱を表明した自見万博担当相に「恩知らず」とカンカンだった二階元幹事長を袖にして「派閥政治刷新」なんてできるわけないのである。

 結局、自民党にとって政治資金パーティーは裏金もつくれる“カネのなる木”であり、派閥は「ポストとカネと選挙」のための“互助会”。「数は力」と「寄らば大樹」の自民党議員らが、そうした便利なシステムを簡単に手放すはずはないのだ。

 それにしても、同じ茶番劇でももう少しやり方があるだろう。「麻生・菅・木原」では本気の改革じゃないことが国民に丸分かりなのに、センスがないのか、無能なのか。

 「岸田さんが具体的な党改革を打ち出せないのは、そんなことをしたら党内から総スカンを食らうことが分かっているからでしょう。正しいことがまかり通らないような腐った政党には、一刻も早くお引き取り願いたい」(五十嵐仁氏=前出)

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