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3月5日(火) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』3月5日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集:国会最終攻防、与党の横暴に無批判 腐敗自民をのさばらせているのは大メディア

 例年、衆院の予算案の審議時間は80時間なのに、70時間に満たない審議時間で採決しようとしたのだから、乱暴もいいところだ。

 しかも、1日に開かれる政倫審に安倍派の幹部4人が出席することが分かっていたのに、予算委の小野寺委員長(自民)は、その前日、野党に相談することなく、1日に予算案を採決することを職権で決めてしまった。なぜ、政倫審が終わるのを待たなかったのか。これでは野党が怒り、小野寺委員長の解任決議案を提出するのも当たり前である。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「審議が尽くされていないのに強行採決とは、いくらなんでも自民党はむちゃくちゃです。しかも、わざわざ土曜日に国会を開いて予算案を採決している。週明けの4日(月)でも問題はなかったはずです。年度内の自然成立を確定したかったのでしょうが、それは岸田総理の勝手な都合でしょう。一見ソフトに見えますが、岸田政権のやっていることは、強権批判された安倍政権と同じです」

 大手メディアが野党の国会対応を批判していることについて、立憲民主党の安住国対委員長は会見でこう語っていた。

 「議会は世界中どこを見たって、激しい戦いを繰り広げています。アメリカなんて9月に通らないといけない予算が、共和党と民主党が激しく対立し、いまだに成立していない。どの国を見ても、本気の戦いというのは深夜に及んだり、バスターなどもやるんですよ」

 まさに、その通りだろう。大新聞テレビの野党批判は、世界の常識から大きくはずれているのではないか。

 「なぜ、大手メディアは自民党の強権的な国会運営を批判しないのか不思議です。土曜日の予算案可決も、審議時間を満たしていないのに強行採決しようとしたのも、すべて岸田首相の政権維持のためでしょう。大手新聞は自分たちの紙面で、岸田首相が周囲に『予算案の通過を週明けに持ち越したら政権はもたない』と漏らしていた、と書いています。予算案の強行採決が国民のためではなく、政権延命のためだということは、大手メディアだって分かっているはずです。なのに、なぜ批判しないのか、おかしいですよ」(五十嵐仁氏=前出)

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