SSブログ

4月29日(木) 鳩山内閣の前途を左右する小沢「政治とカネ」と普天間問題 [政局]

 「本件不起訴処分は不当であり、起訴を相当とする」

 一昨日の東京第五検察審査会での議決の結果です。小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地取引事件で政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で告発された小沢さんを東京地検特捜部が不起訴(嫌疑不十分)とした処分について、待ったがかけられました。
 特捜部は今後、再捜査して再び処分を出すことになります。もし、再捜査の末に再び不起訴としても、それに対して審査会が2度目の「起訴すべきだ」とする議決をすれば、裁判所が指定した弁護士によって強制的に起訴されることになります。
 特捜部が小沢さんの元秘書で陸山会の事務担当者だった石川知裕衆院議員ら3人を同法違反罪で起訴したことはご存じの通りです。しかし、小沢さんについては「虚偽記載を具体的に指示、了承するなどした証拠が不十分で、共謀は認定できない」として不起訴にしていました。

 確かに、小沢さんの秘書3人が起訴されましたが、まだ裁判の途中で有罪判決が出たわけではありません。判決が出るまでは、推定無罪が成り立ちます。
 小沢さんに対しても、起訴が相当とされましたが、新しい証拠が見つかったわけではありません。再調査した結果、再び「証拠が不十分」ということで不起訴になることもあり得ます。
 不起訴になった場合、検察審査会による再議決で強制起訴は可能です。しかし、裁判になっても無罪になる可能性は充分に残されています。

 つまり、検察審査会が起訴相当と議決したからといっても、小沢さんの罪が認められたわけではないということです。小沢さんが言っているように、「何もやましいことはない」という結果になるかもしれません。
 国民感情からいって、不起訴は納得できない、起訴相当は当然じゃないかという気持ちは理解できます。しかし、感情と裁判は別物です。
 したがって、この時点で小沢さんを罪人扱いすることには慎重でなければなりません。マスコミ報道に流されず、予断を自戒するという冷静な対応が必要でしょう。

 しかし、今回の「起訴相当」という議決が、鳩山政権にとって政治的に大きな打撃となることは否定できません。また、法的にはともかく、秘書が逮捕されたことに対する道義的責任を問う余地は充分にあり、国民を納得させるような説明がなされていないことも明らかです。
 鳩山首相は、普天間基地の移設問題に加えて、小沢幹事長の「政治とカネ」という二つの問題に直面することになりました。この二つの問題をどう乗り切るかによって、今後の鳩山政権の前途が左右されることになるでしょう。
 いずれの問題についてもカギとなるのは、国民の納得が得られるかどうかということです。国民の納得を得て危機を乗り切るためには、普天間基地の国外移設と小沢幹事長の辞任は避けられないのではないでしょうか。

 鳩山さんにとっての第1の選択肢は、普天間基地の国外移設を確実にし、小沢さんが辞任する、もし辞任しない場合には鳩山さんが更迭するなどのケジメをつけることです。恐らく、これが最善の策ということになるでしょう。
 第2の選択肢は、普天間問題の「決着」への道筋をつけることができても、小沢問題でのケジメが付けられない場合です。これが次善の策でしょうか。
 もう一つの次善の策(三善の策?)は、逆に、小沢問題でケジメをつけられても、普天間問題の「決着」をつけられない場合です。いずれの場合でも、支持率の回復は難しいかもしれません。

 そして第4の最悪の選択肢は、普天間問題での「決着」も小沢問題でのケジメもつけられず、ズルズルと現状が維持されてしまう場合です。そうなれば国民やマスコミからの批判は沸騰し、結局は、それに耐えられなくなり、鳩山・小沢の共倒れということになってしまうかもしれません。
 そうならず、何とか乗り切れる可能性もあります。しかし、そうなればなったで、参院選での敗北は避けられないでしょう。
 後に、国政選挙が控えているということが重要です。この選挙にどう影響するかという見通しが、民主党内の雰囲気や動向を決めることになります。

 今日から連休が始まるというタイミングも重要な意味を持っています。議員の皆さんが選挙区に帰り、世論に直面することになるからです。
 前述のように感情と裁判は別物ですが、選挙前の議員にとって重要なのは、裁判の帰趨ではなく国民感情です。感情に流されるような動きが強まるにちがいありません。

 連休明けに、波乱がありそうな気がします。鳩山さんは、総理になってから初めて沖縄を訪問するそうですが、辛い連休になるのではないでしょうか。

nice!(2)  コメント(1)  トラックバック(0) 

nice! 2

コメント 1

民主青森県連代表「民主党を批判する反革命分子に負けずに、この危機を乗り越えて行かなければならない」小沢幹事長の前で決意

小沢一郎幹事長は28日午後、青森県青森市内の会場で開かれた「民主党青森県連躍進パーティー」で挨拶した。

冒頭、小沢幹事長は、参集した知事や青森県内の首長、各地の団体の代表者、民主党支援者を前に、「本当にみなさんのご支援のおかげで、前の参院選では平山幸司議員を当選させていただき、そして、昨年の総選挙によって政権を担わせていただいた」と感謝の意を示した。

小沢幹事長の挨拶終了後、参加者から「一郎さん、7月においしいお酒、飲もう!」との呼びかけに、小沢幹事長は、「はぁーい、ありがとうございます。あの今日はね、(東京に)戻んなきゃいけないんだけれども、またぁ、来ますから。よろしく頼みます」と応えた。

主催者を代表して、横山北斗県連代表が「昨年の総選挙では、まさに革命と呼ぶにふさわしい出来事として、私たちは政権交代を実現したが、革命の後は、反革命が起こる」とし、「今、民主党を批判する反革命分子に負けずに、この危機を乗り越えて行かなければならない」と強い決意を述べた。

http://www.dpj.or.jp/news/?num=17940

五十嵐先生の過去のご発言

「反日的分子」という用語法は戦前・戦中に用いられたものです。批判や異論を表現するためでも、戦前を彷彿とさせるような言葉の使用を避けるというのが、戦後民主憲法下における国会議員としての最低限のあり方でしょう。
柏村議員には、このような配慮はなく、このような言葉への違和感や抵抗感もありません。この点だけからしても、戦後民主憲法下の議会における議員としての資格に欠けると言うべきです。

しかも、これは明らかなレッテル張りです。このような形で異端を排除するやり方は、戦前の手法であって今日の民主議会においては許されません。
大体、人間に向かって「分子」とは何ですか、「分子」とは。主権者である日本国民に向かって「分子」呼ばわりは失礼ではありませんか。
by 民主青森県連代表「民主党を批判する反革命分子に負けずに、この危機を乗り越えて行かなければならない」小沢幹事長の前で決意 (2010-04-29 06:17) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0