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2月27日(水) 社会党にとっての政治改革、民主党にとっての消費増税、そして自民党にとってのTPP [TPP]

 いかに大きな政党といえども、過ちを犯せば国民から見離され、その力を失っていきます。過去において、その実例を見てきましたが、将来において新たな実例にお目にかかることになるかもしれません。

 過去における実例の一つは社会党です。かつて自民党に対抗して政権を争った社会党は、今や社民党となって消滅の危機に瀕しています。
 その躓きの石は、一般的には「非武装中立論」への拘泥だと考えられています。しかし、実際には、政治改革への賛成だったように思われます。
 中選挙区制に代えて小選挙区制の導入を認めてしまった点に、決定的な過ちがあったように思われます。この選挙制度によって、社会党は自らの存立可能性を失うことになってしまったのではないでしょうか。

 もう一つの実例は民主党です。昨年末の総選挙で、民主党は大敗を喫し、日本維新の会より3議席を上回るだけになりました。
 参議院では今も第1党ですが、2議員の離党によって、それも怪しくなりました。来るべき参院選でも、大きな試練が待ちかまえていると見られています。
 民主党の躓きの石は、消費税の増税だったのではないでしょうか。10年の参院選の直前、菅元首相は突然消費税の10%引き上げ方針を打ち出して参院選での惨敗を招き、その後の民主党分裂など混乱の要因を生み出しました。

 このような過去の実例から類推すれば、将来における新たな実例が生まれる可能性に思い当たります。それは、自民党です。
 安倍首相は、日米首脳会談での共同声明で「TPP交渉参加に際し、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではない」と書かれたことを手がかりに、近々、TPP交渉への参加表明を行うと見られています。しかしこれは、「あらかじめ約束しなくてもよい」ということにすぎず、「全ての関税を撤廃する」ことに例外があることを約束したわけではありません。
 「最終的な結果は交渉の中で決まっていくものである」から、どうなるかは分かりません。もし、交渉した後の「最終的な結果」、コメなどの関税が撤廃されるようなことになれば、自民党は地方での支持を決定的に失うことになるでしょう。

 自民党の強みは、地方の農村部にありました。ここでの草の根の支持こそが、伝統的に自民党を支えてきたのです。
 安倍さんは、党内論議を省略して一任を取り付けたようですが、問題は地方出身議員にあるのではありません。それを草の根で支えてきた地方の農業関係者の抵抗にあります。
 党内の反対派を抑えることができても、このような議員の背後にいる人々の反対を無視できるのでしょうか。無視してもこれらの人々の反対は消えず、結局はその支持を失うことになるでしょう。

 政治改革を受け入れることによって社会党は姿を消し、消費税の増税に踏み切ることによっ民主党は総選挙で壊滅的な敗北を喫しました。そして今、自民党はTPP交渉への参加を表明することによって農村地域の伝統的な地盤を失おうとしています。
 歴史は繰り返す、ということなのでしょうか。それとも、2度あることは3度ある、ということなのでしょうか。

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