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6月13日(木) 国内外から孤立する安倍政権 TPP・原発・改憲・安保ノー、くらし守る政治の実現を(その3) [論攷]

〔以下の論攷は、『月刊 女性&運動』2013年6月号、に掲載されたものです。4回に分けてアップします。〕

 リップ・サービスに隠された危険なイデオロギー

 安倍「教育改革」の目的は、黙って働く労働者や国のいうことを聞く従順な兵士などの大量のノン・エリートを生み出すことにあります。同時に、教育の複線化によって一部のエリートを育成し、グローバル化した国際社会で太刀打ちできる優秀な「企業戦士」を生み出そうとしています。
 そのために、政治が教育の内容にまで介入し、イデオロギー的なコントロール手段として使おうとしているのが愛国心です。
 同時に、教育予算をOECD並みの1.5倍にするとか、女性の活用、保育の待機児童減少・解消など、内容的には問題があっても一定の方向を打ち出そうとするポーズを取っています。35人学級も、今年の初めに見送ったのに復活させるというように、世論に敏感に反応しようとしている。この点は、軽視できません。
 これは自分が本当にやりたい政策を受け入れさせるためのリップ・サービスでしょう。裏に隠されている特異なイデオロギーを呑みやすくするためのオブラートのようなものです。

 96条改憲のリスクは高い

 安倍内閣になってから、96条改憲を参院選の争点にしようとするなど、急速に改憲の危機が強まってきました。自民党は立党以来改憲を党是としてきましたが、政治日程に上らせると明言したのは安倍首相が初めてです。
 第一次安倍内閣では国民投票法をつくり、いま政治的枠組みとして衆議院で改憲発議に必要な3分の2の基盤もできている。あとは参議院のみです。しかも、「追い風」が北朝鮮から吹いています。
 しかし、それにはいくつかの「壁」があります。そのひとつは、国民投票法の3つの宿題です。なかでも18歳選挙権は成人年齢などに関わってくる問題で、それほど容易ではありません。また、公務員の政治活動をどうするのか、改憲以外の国民投票をどうするのかという問題もあります。
 もうひとつは、96条改憲をかかげて国民投票に打って出た場合、可決されるかという問題があります。どの世論調査でも、96条改憲には反対の方が多い。産経新聞の調査でもそうなっている。ということは、国民投票で否決される可能性が高いということです。
 安倍さんは、9条改憲を隠して手続きのハードルを下げようとしたわけですが、戦術的な失敗だったのではないでしょうか。「改憲ぐせ」を付けようとしたのに、緒戦でアウトになってしまうかもしれないのですから。
 これからの課題は、発議できるような議席を与えないことと共に、「否決されるかもしれないからやめよう」と、国民投票以前に断念させることです。参議院で3分の2を突破することは容易ではありませんが、もしそうなっても、96条改憲を提起するリスクは高く、そう簡単にことがすすむとは思えません。
(続く)

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