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10月23日(木) 翁長勝利で新基地建設阻止・普天間基地撤去・国外移設の実現を [在日米軍]

 沖縄県知事選挙が大きな注目を集めています。沖縄だけでなく、軍国化を進めている日本全体の今後の進路にも大きな影響を与えると見られているからです。
 昨晩、この沖縄県知事選挙に関連した電話がかかってきました。立候補を表明している翁長雄志前那覇市長を支援する「翁長雄志さんを励ます法政の会」を準備している方からのものです。

 翁長さんは法政大学1975年の法学部の卒業生で、この縁から法政OBで翁長さんを応援する会を立ち上げたいというわけです。呼びかけ人になって欲しいという要請でしたが、もちろんOKと即答しました。
 ぜひ、翁長さんに勝利していただきたいものです。それこそが、新基地建設阻止・普天間基地撤去・国外移設を実現する最善の道だからです。
 今回の県知事選挙の最大の争点となっている普天間飛行場の移設問題で、仲井真現知事は日本政府の応援を受けて普天間基地に代わる辺野古での新基地の建設を推し進めようとしています。これに対して翁長さんは新基地建設に反対していますが、沖縄での世論調査では8割以上の人が反対ですから、どちらが県民の立場に立っているかは明瞭です。

 日本における米軍基地の74%が沖縄にあり、その存在は沖縄県民を苦しめてきました。沖縄県民が米軍基地の撤去を望むのは当然です。
 しかし、このような沖縄県民の願いに、日本政府は全く応えようとしてきませんでした。日本政府は、沖縄の米軍に出て行ってほしくないからです。だから、国外移設を主張しないだけでなく、新基地の建設や思いやり予算など積極的に米軍の引き留め策を講じようとしてきました。
 そもそも、米軍普天間飛行場の移設について持ち出したのは、1995年の米海兵隊員による少女暴行事件を契機にした県民感情の悪化と普天間基地の危険性に大きな危惧を抱いた米政府の方でした。当時、共同通信の記者としてこの件をワシントンで取材していた春名幹男さんは、その著『秘密のファイル(下)―CIAの対日工作』(共同通信社、2000年)の314頁で次のように書いています。

 1996年2月23日、カリフォルニア州サンタモニカでクリントンに会った橋本は、
「本当に言いたいことはないのか」
 とクリントンに促されて、
「あえて付け加えるとすれば、普天間返還を求める声は強い」
 と口を開いた、という。
 だが、現実には、この時点でアメリカ側は、〝落としどころ〟は「普天間返還」と読んでいて、橋下の発言を予想していた。
 橋本がなかなか口を開かないから、クリントンの方から誘い水を向けたのである。

 つまり、「普天間返還」が決まったのは「クリントンの方から誘い水」を向けられたからなのです。それに促されて橋本首相が「普天間返還を求め」たのが、この問題の始まりでした。
 しかし、「普天間返還」は県外移設を意味していませんでした。それに代わる新しい基地の建設が課題とされ、白羽の矢があったのが名護市辺野古の米軍キャンプシュワブ周辺だったのです。
 このときも、日本政府は普天間基地の国外への移設を求めていませんでした。これについて、93~96年に駐日米国大使を務めていたモンデール元副大統領は、米国務省系研究機関の外交研究・研修協会のインタビューで、「日本政府はわれわれが出した(普天間基地の移設という)結論を望んでいた」「何の疑問も出なかった」と述べ、「非公式協議」の場での日本側代表とのやりとりにふれて「彼らはわれわれ(=米軍)を沖縄から追い出したがらなかった」と述べています。

 つまり、日本側も駐留継続を望んでいたと証言しているわけです。沖縄の米軍基地は、日本政府にとっては日本周辺有事への米軍の介入を担保するための「人質」として位置づけられているからです。
 だから、一方ではアメリカに基地撤去を求めることを手控えて駐留継続を働きかけ、他方では基地撤去を求める沖縄県民の要求を受け入れるかのようなそぶりを示すことになります。日本政府お得意の「2枚舌」であり、沖縄県民に対しては嘘をつくことにならざるを得ません。
最近の例では、普天間基地の「運用停止」についての大嘘があります。沖縄県の仲井真知事が5年以内の運用停止を日本政府に求め、菅義偉官房長官は9月、その期限を19年2月までと明言した例です。

 これについて、米国防総省当局者は朝日新聞に対し「13年に日米が合意した22年度以降の返還が唯一の方策、19年2月の運用停止に米政府は同意していない、日本側から正式要請はない」という回答を示しました。つまり、22年度以降に名護市辺野古の代替施設が完成しなければ普天間の運用停止はできないということであり、「19年2月の運用停止」について「日本側から正式要請はない」というのです。
 「19年2月の運用停止」というのは真っ赤な嘘でした。菅官房長官の発言は県知事選に立候補を表明している仲井間知事に対する単なる「リップサービス」にすぎません。

 この問題について報じた『朝日新聞』10月22日付の社説「普天間問題―『運用停止』の空手形」は、「米ハーバード大のジョセフ・ナイ教授はザ・ハフィントン・ポストへの寄稿で、沖縄のいらだちに言及。『中国の弾道ミサイルの発達で沖縄の米軍基地は脆弱(ぜいじゃく)になった』と指摘し、在日米軍の配備について再考を求めた。米国内の知日派にも柔軟な考え方が出始めている」と指摘しています。沖縄の基地はあまりに中国に近く、軍事的合理性からすればもっと遠い場所に移した方が良いというわけです。
 米軍からすれば、「脆弱になった」沖縄の基地をグアムやハワイに移すことの方が好都合なのです。それを阻んでいるのは日本政府にほかなりません。

 このような日本政府の誤った姿勢を転換させ、米軍ですら本当は望んでいない新基地の建設をやめさせ、米軍基地を撤去させるためにも、翁長さんの当選は不可欠です。「普天間返還」問題の経過をみても分かるように、翁長勝利によって沖縄県民の意思を明確に示すことができれば、米軍基地撤去に向けての新たな展望が切り開かれることは間違いのですから……。

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